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一難去ってなんとやら

「ちょっと待ってよ。今までの話はなんだったの?」



「まぁ見てろ、実際に死ぬわけではない。都合が良い事に体形は俺とお前ではあまり変わらない」



 空間庫から俺のダミーを取り出す。



「それは?」



「蛮族の死体を弄ったダミーだ。所でアキラ、お前は人に知られている特長的な傷や痣、あるいは黒子等はあるか?」




「こっちで裸の付き合いはないから誰にも知られてないよ」




 楽で良い。ならば顔だけ形成しなおせば良い。我ながら外道である。




 アキラは顔が変わる様をまじまじと見ている。



「さて、これでアキラは死ぬ、犯人は俺だとばれるだろうが知った事ではない。これで準備は終わった、約束通り破棄に向かうぞ」



「破棄の話だけど資料は君に全て渡すでは駄目かな?これでも数年掛けた努力の結晶なんだ。君が持って死蔵してくていいからさ」




 未練はあるだろうな。理不尽極まりない状況か・・・。



「分かった、俺が貰う、それで良いな?」




「ありがとう」








 その日町では数件の火事に爆発、様々な事が起こり大騒ぎになった。幸い死傷者は無くその夜は更けて行く。翌日、町は更に大きな衝撃に襲われた、賢者様の死だ。それも殺害、胸にはナイフ。犯人と思わしき男の情報は宿から提供されたが、影も形もない。人々は怒りと悲しみに暮れた。









「それで、その青年は誰だい?」



 ルイは困惑気味に俺に尋ねる。



「まぁ部下の様な物だな、見たとおり日本の出身だ」



「珍しい事もあるもんだ。どう言う風の吹き回しかな?」



「お前は俺に無理難題を押し付けすぎだ。一人ではどうにもならん、頭数を増やしただけだ」



「私はどうなるんですかね?」



 不安そうにアキラは俺に問う。




「この鬼畜ロリコンショタが色々面倒事を次から次へと持ってくるから消化を手伝って貰うだけさ。対価も出すし、無茶もさせる気は無い」




「その言い様はあんまりじゃないか?」



「全て事実だ。ギルドでのあの頭のおかしな女の件、忘れた訳では無いからな」



 ルイは目を逸らす。



「ダイスさん、所でこの方はどういう関係で?」



「一応師弟関係になるのかね?俺が弟子だ。こんな見た目だが、俺より年上の子供がいるからな」



 アキラは混乱している。そっとしておこう。




「悪かったよ。まさかあんなお嬢さんだなんて思わなかったんだ。ついでにあのお嬢さん絡みでもう一つあるんだよね」




 やはり首を落としておくべきだったか。




 

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