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次への招待

 ここ最近いや、ずっと前からかもしれない。もう下に降りずここで生涯をすごしてしまえば良いのではないかという甘え。ここにあまり長居をし過ぎないのは流されている自覚があるからだ。



 選択肢としては悪くは無い、俺の死後を考えると無しとしか言い様が無いが。人は必ず技術を進化させる、ここへ手が届くまでどれだけ掛かるかは分からないが異界人がいるせいで確実に早まる。




 彼が渡った世界のように鉄器時代前の文明であれば、彼をなぞり大幅に文明の推進を遅延できただろう。しかし、ここは少なからず火縄レベルの銃がある。ルイが任せたので今頃はもう無いだろうがな。



 俺がやりたい事は単純だが、それを実現するのは不可能に近い。外敵がここにこないそれだけで良いのにな。




 歌も、武術も魔術も商売すらもその為のものに過ぎない。




「へぇそうなんだ、自分の願いはないのかい?」



「人の心を読むな、それと急に背後から出てくるな。お前はアサシンか何かか?」



 芸術とか美を司るならそういうのは止めて頂きたい。



「まさか、僕は神だよ。豊穣の神も怖がる訳だ」



「邪魔ではなく、怖がった? 分からんな、俺なんて小物だろうに」



「君さ、気づいてないのかい? あり方そのものが人間から乖離してきているのがさ」



「欲望に濡れて矛盾を起こし、同族を殺し益を得る。まさに人らしいと思うが」




「心にも無い事を言ったって駄目さ。君の思う先人は完全に人間を辞めているよ。そこに理想を見ては、やはり人では無くなる。珍しく御節介を焼いているのだから、肝に命じた方が良い」




「何のことだかさっぱり分からないが、その言葉覚えておくよ」




「うん、それが良い。さて、賽の神が自分の名前を利用されて信仰が歪むのを嫌ったのは知っているね?」




「お陰でくだらない茶番をやるハメになったがな」



「ついでにお願いできないかな? これは君にも必要な事だよ」



「詳しく教えろ」



「宗教は同じ、分派って奴かな。本家より切り離した方が利益が出るから遠いのを良いことに切り離したってのが実情でまずいのは上に君の世界の発明家がいる事だね。お陰で勢力が大きくなっている。更に他教の弾圧、多種族の奴隷化等々。その先は君なら予想が出来るんじゃないかな」



「予想は出来るさ、元々の国は食い尽くされ、次は周囲に聖戦を仕掛けて他国を貪る。何処に行こうがこれは変わらない。形が変わりはするがな」




「どうだい?やってくれるかな?」



「やりきるかは知らんが、その発明家と成果は消す」

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