表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

312/397

中から鍛えよう(体)

 喉が痛てぇ。あれから歌い続け、日は暮れ、妖精達とは別れた。その後自主練習できるように魂の出し入れを学んだ。



 注意点としては離れすぎると死ぬし、入るのには少し時間が掛かるからその間無防備だとの事。この場所限定でしかやれそうに無いが、体感的にはかなりの近道である。




 更に頼めばその状態で持てる物も作ってくれるそうな、弾き語り等したければとの事だ。しかし、俺が神に頼んだのは刀。魂でも重さを感じる事が出来る事、鞘も刀程度の重さがある事その条件で頼んでみたら。



「君は本当に鍛えるのが好き・・・違うね。備えるのが好きだね。いいよ、形と重さ以外中身の無い物だけどいいね?」



 呆れるようにそう言って俺に練習刀を渡してくれた。



「今度来る時には上達しててね」



 それだけ言い残すと跡形も無く消えた。出るも消えるも急な神だ。




 魂と肉体はお互いに引っ張られる。肉体の方が引く力は強いが、肉体と魂両方が進む方向に努力すればその効果は大きい。これはなにも歌だけではない。だから俺は自分が知る限りの最強の動きを目指す。




 前の世界の達人の動き。そして。アリアの動きだ。




 前から鍛錬としてトレスしてそこそこ使えるようにはしてたが本物には到底及ばない。




 金属で出来た鞘の部分と柄を持ち、まるで槍でも構えるように構える。基本の動きは突きと払い、そして巻き込み、巻き取り。



 彼の動きを自分に重ねながら空へと突く、払う。流し引きながら巻き込む。このやり方は強者相手でこそ本領を発揮する。力が劣るからこその剣術だ。




 多人数の場合は流して敵へ被害を出し、サシでの場合は流し、崩し、最後には体制を崩した相手に居合いの姿勢の自分がいる構図になる。



 この世界で自分より純粋な力が上の者はかなりいる。いや、自分は戦いをする者の中では凡庸か少し下と言った所だろう。




 まだ足りない、事を成すには力が足らない。冷静に考えれば今の状況は焦るほど緊迫はしていない。だが、焦燥感が治まらない。
















 そう、まるで何かに呪われているように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ