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サクライ

 あれから俺はすぐ歌の練習に励みたかったが、ギルドの呼び出しに応じて転移符で飛び、ギルドの扉を開けるとすぐにガル及び職員に案内された。いや、あれは連行と言う方が正しい表現だろう。



 通された部屋には総長と中学生くらいに見える刀を持った黒髪の美少女。正直嫌な予感しかしない。特に刀ってのが頂けない。



「総長、ダイスさんをお連れしました」



「助かったよダイス君」



 続いて嫌な予感の元凶が口を開く。



「始めましてサクライイチ様。いえ、ダイス様でしたね。私はサクライセツ、正真正銘のサクライ家の者です」



 名前勝手に語ったのが原因か。でもそれはギルドの判断で俺は悪くねぇよな。



「これは丁寧にどうも、悪いが俺はそんな丁寧にはできねえからそこは勘弁して欲しい。俺の名はダイス、それだけだ」




 この女、さっきから魔力で威圧しようとしてやがる。俺らは良いがクリートは具合が悪そうじゃねぇか止めてやれよ、本当。



「私が何故貴方を呼び出したか分かりますか?」



「さぁ、皆目見当も付かないね。サクライイチってのはギルドが用意した舞台の登場人物で俺はただの役者だ。俺の役者振りがあまりに酷いんでお叱りに来たってんなら甘んじて説教を受けるよ」




「舞台をあちらこちらに作るだけ作って、役者がいない状況を作った当家に問題があるので、叱る事等ありませんよ。それに主演を演じる俳優様なのでしょうから、さぞ優秀なのでしょう。ですから私はどれほど優秀か確認しに来たのです」



 待て待て、ギルドの連中はこの面倒なお嬢さんを俺に丸投げする気じゃなかろうな?ガウを見ると目を逸らしやがった。




「優秀?この俺が? 馬鹿を言ってはいけない。俺は士気をあげる為に演技をした、それだけだ」




「ダイス様、嘘はいけませんよ。相手の頭目の首をあげておいて演技しただけと言うのはあまりに苦しいと思いませんか?」




「面倒だ、何が言いたい?」




 てか総長てめぇなにをだんまり決め込んでやがる。総長を見るがこいつも目を逸らす。



「ダイス様、この方々は私のお願いで黙って頂いているのです。私も余計な面倒は嫌ですので。ダイス様へのお願いは簡単です。手合わせお願いできればそれだけで良いのです」





「そんなもん嫌に決まってんだろ。面倒臭い」

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