生活
やぁ諸君こんにちは。ご機嫌は如何かな? 俺か? 残念ながらよろしくない。シャライさんにはからかわれ、ルイには「これで君も人の事を言えないね」だと。完全にロリコン扱いである。
まぁリザとの生活は・・・少し甘やかし気味である。良い子なんだよなリザ。正直、恋愛感情なんてサラサラ出てこない。むしろ庇護欲の方が強い。
生活の大半はシャライさんの集落の空家を借りている。因みに周囲から見た俺達は年が近い親子だそうだ。俺もそれに近い接し方をしているし、当然といえば当然だ。個人的には先生くらいの気持ちでもあるんだが。長時間一緒にいるので親子と言われても仕方ないと言えば仕方ない。
流石に武術の修練は一緒に出来ないが見学していたり、シャライさんとやっているらしい。歌に関してはシャライさんのもとで二人でやらせてもらっているが。リザは元々上手い上に学ぶ事で舞台に上がって主役をやれるレベルになっている。
先生であるシャライにも私より上手いとのお墨付きである。
街を作る時と楽園に行く時以外はほとんど一緒に過ごす日常に慣れて行くのが正直怖い。
私は椅子に腰掛け大きなため息を付く。
「どうしたのリザ? そんな大きなため息をついて」
「だって全然進展しないんですもの。完全に子供扱い」
「見てても親子のそれだものね。でも、それは仕方ないんじゃないかしら? 彼見た目よりもかなり大人よ?」
「わかってますよ~だ。でもこのままだと進まないんです。一番出来やすい時期なんですよ?」
顔を真っ赤にしながら言うリザを見ながら苦笑いをするシャライ。
「そうねぇ、確かにエルフは子供が出来にくい種族ね。だから回数を重ねるんだけど・・・生々しい話はやめましょう。私から言える事は待っててもダメでしょうって事くらい。子ども扱いしている相手に手を出すってそれはそれで問題だもの」
「じゃあどうすればいいんですか?」
「彼の認識を変えさせるしかないんじゃない? あと一応聞いておくけど。リザちゃんもなんとなく気づいているんでしょ?」
「はい、ダイスさんが精霊の関係者って事ですよね。私達の種族で精霊術を使う者なら分かりますよ。あれは加護というより寵愛に近い物だと思います。」
「彼、共に生きる可能性が高いと私は思ってるわ。今からでもそこは覚悟したほうがいいわよ」
「それは大丈夫です。村を出るときにはできてましたから。それでもまさか精霊様が絡むとは夢にも思いませんでしたが」
そうして穏やかな時間は過ぎていく。




