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再会

 それから、面倒な儀礼や褒章の場での面倒事を終えた。王からは、これでようやく面子が保てる。との事だ。権力者は何時の時代も面倒臭そうだ。



 そこまでは順調。次にルイに連れられて、吟遊詩人の下へ向かった。俺はまず、謝罪した。半殺しにされたが悪いのはこちら、筋は通そう。




 すると吟遊詩人は急にあたふたし出し「こちらも加減するべきでした。貴方の事情を知った時は・・・本当にごめんなさい」



 なんだろう? この感覚…そうか! この吟遊詩人まともなんだ。初めてじゃないか? まぁルイは、まともじゃないな。となると、二人目か一人は会った時既に壊れていたが。



 となると、本当の意味でまともな異界関連の人物・・・だと・・・この縁は大切にするべきでは?




「あとは任せたよ吟遊詩人ちゃん。この調子だと許しを請うまでもなさそうだし、後は約束さえ果たせば良いよ」




 そう言うとこちらに一枚の札を投げやった。



「これは最後の鍵だよ、何が君をそこまでさせるのかは知らないけど。君はあの地の者に愛されている。会いに行ってあげないと可哀想だろう?そういえば面白い魔術があった。その一件が終わったら教えてあげるよ」



 それだけ言うと、そそくさ帰ってしまった。





 沈黙が場を支配する。ルイ(嵐)が去って、和解こそしたものの、微妙な関係の二人が残された。




 どうするんだこれ? 気まずい、今更だが凄い美人だな。余計に話し辛いわ。こう言うときは。




「これからどうすれば良いのでしょうか」



 俺に聞かれても困る。



「とりあえず貴女の里で鍛錬をして貰えると聞いたんだが?」




「そうでしたね。ここからだとかなりの距離があります。まずは混じりの砦を目指しましょう」




「混じりの砦?」



「この国、魔物の領土、今は違いますが、教会の領土。三つの勢力交わる砦で混じりの砦と私達は呼んでいます」




 自分で封をした空間庫を開放し、札を取り出す。楽園以外の転移符は無事だ。



「じゃあ、行こう。準備が出来たら教えてくれ」




「少しお待ち下さい。宿の店主さんと話してきます」




 縁は大事にすべきだが、前途多難な旅路になりそうだ。

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