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勝ち筋

 うん、まぁこんなもんだろうなぁとは思ってたよ。俺は連れて行かれるまま着いて行った。頭を叩く為とあるワードが気になったからだ。



 光源は青い炎、赤い絨毯、日が届かないだろうに何故かある意味深なステンドグラス。無意味に多い巨大な柱。これは他の王の謁見の間でも見るが・・・極めつけは玉座に座る男、黒目黒髪、黒い鎧に黒いマント、何処かで見たデザインかと思えば。ゲームで出てくる聖剣の王様の格好の色違いだ。





 痛々しい。




「名を名乗るが良い」偉そうに言うが声がまだ少し幼いのでなんだか滑稽だ。




「聞く時は自分から名乗る物だ」




「我はシルドだ」



「俺はダイスだ。そっちの名前は予想外だったよ、てっきり北欧神話とか円卓の騎士辺りの名前を使うと思ってたぞ」




「両親から貰った名だ。別の名前は語らない。魅力的ではあるがな」





「で? 招待頂いた理由を尋ねたいのだが」




「少し語らいたい気分であったが。互いに忙しい身、単刀直入に行こう。お前の土地を寄越せ。必要ならなにかしらの対価をくれてやっても良い」




「土地? はてなんの事やら」




「惚けても無駄だ。我には千里眼、文字通り千里を見渡す目がある。空の土地にお前が住む事も無論見渡しておる」




「そうか、返答だが当然ノーだ」





「この状況で強気だな。お前は袋の鼠、我に勝てぬのは当然、逃げる事もあたわぬ。それでもノーと言うのか?」




「当然だとも。無学な俺に教えて欲しいのだが。何故俺は勝てないんだ?」




「銃を見てそれを言うか。なら試して見るとしよう。ヨウコ、こいつを死なぬ程度に痛めつけろ」




 ここで銃殺をすぐにでも選べば、可能性は0ではなかったんだがな。狐の獣人が飛びかかって来る。それを見ながら俺は剣を取り出してから術式を起動する。




 こうなれば後は駆除だ。見つけて殺す。手始めに着地に失敗した哀れな狐の首を落とす。





「キサマアアアァ」怒りの表情で飛び出そうとするも上手く動けず転倒するシルド。俺はまず、手の甲に剣をつき立てる。




 うるさい悲鳴が木霊する。



「答えろ、お前等はどの程度銃をばら撒いた?」




「教えるとでも思ったか、お前何をした?動けん」動けない訳ではない。数時間あれば座る事くらいは出来るだろう。




「交換条件だ。どの程度ばら撒いたか教えろ、代わりに何をしたか教えてやるよ」




「良いだろう。この城の配下のみにだ。後はこれから稼ぐ為に数世代前のアンティークを売って回るつもりだがな」




「成る程、ではこちらも答えよう。今この場はスキルも魔力も一切ない。前の世界より原初に近い神が生まれる前の空間だ。必要な魔力が足らない状況。立つ事すら困難だろうよ」



 剣を抜き振りかぶる。




「待て、待ってくれ」命乞いね。





「丁寧に説明したんだ。もう良いだろう?それに、あそこに手を出そうとしたんだ。それじゃ殺すしかないな」



 剣を振り下ろすと、動かぬ骸が一つできた。




 気分は最悪だがまだ終われない。全て殺し尽くすまで。この戦法でしか勝てない状況が多すぎる。自力の低さに悲しくなるが、考えるべき改善点だ。こういう作業だ、考え事をしながら気を紛らわせながらやるのが一番だな。


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