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自信満々に誤魔化しても

 (やぁやぁ、随分とちまちまとやってるじゃないか。手伝おうか?)



 急な念話からの声だった。ルイである。



(何処で見てるんだ? 手伝ってくれるのなら助かるよ、どうしても時間が掛かるからな)



(手を抜いておいて言う台詞とは思えないよ。前回のアレを使えばそれこそ神にひれ伏すが如く、死体は死体へ。人は地に伏してダイス君の許しを請うだろうね)




(その言い方は悪趣味だ。それにアレは例外がある物だ。アンタの息子がその一人で、そして俺の上位互換だ)



(親子そろって師匠って所かな。まぁいいや、全軍後退して距離を取って、火種があるお陰ですぐ終わりそうだよ)




(了解、完了次第連絡する)




 そこから俺がジョンと言う部下らしき男に援軍から大規模魔術を使用するので後退を指示すると。凄まじい伝達速度で速やかに後退する。錬度が凄まじい。




 情報の把握こそが戦争に於いて如何に大事かを理解しているか分かる。どんな能力持ちかは知らんが。やはり有能なのだな。





 「ダイス殿。無事後退を完了しました。して、大規模魔術とは。それに援軍は何処に」




「見てればわかるさ。援軍は見えないが今回の支援や向こう側の防衛の責任者の一人が来ている。何をやらかすかは俺にも正直わからんさ」



 俺は火の魔術を空に打ち上げる。それと同時に念話符を起動し(やって良いぞ)と伝える。




 火の魔術? ああ、意味は無いよ。念話符を知られたくないが為の目くらましのような物だ。





 次の瞬間死者の群れの中心で轟音が鳴り響いた。










 




 後退? 何を考えてるんだ。大規模魔術? ありえなくは無い。しかし、あまりに急だ。ダイスという使者はどうやって連絡を取っている。




 なにはともあれ、素早い後退をする必要がある。巻き込まれてはたまらない。素早く後退を終え、ダイスの元へ行き、報告と言う形で接触を取った。



 そこで見たのは、手品なんかで使う技術だった。目線や会話で相手の視線を別へ反らすそれだ。上に顔を向けながらそれに気付いた俺はダイスの行動を観察した。




 そこには札、微かにしか見えなかったが多分そうだ。漢字を崩したような文字。多分あれが本来の連絡手段で上の火の魔術は囮。




 もしあれが電話、いやこの際メール、ポケベルレベルですら構わない。そんな物の代用になる物があるとしたら、脅威だ。戦の根底が変わってしまう。




 これはハイドとこれからのあり方を考えねばならない。


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