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控え室で

 その日は長い事待つハメになった。色々詰める事が多いのだろう。片やは俺はというと伯爵と途中までいた残りの一人を除く近衛兵達と仲良く一部屋に集まって待機中だ。今すぐ帰りたい。




 まぁ当然あんなショーをかましたんだ、。それ以前に上層の人間はこの前の伯爵同行の件を知っている。これ以上興味をそそる人間もそうはいないのではないだろうか。




 案の定、色々聞かれる事になる訳で「ダイス君、ひどいな~あんな面白い魔術を隠し持っているなんて、是非僕も知りたいんだが教えては貰えないかい?移動時間を短縮できるとか是非欲しいからね」



 無理だな。厄介すぎる。




「この魔術はルイの魔術。聞くならあちらが筋だ。それに俺にそれを教える程の教養はない」




 他の人間も食い入る様に聞いている。欲しいよなぁ普通。でもダメだ。




「確かに。その言い分だとルイ殿はダイス君の師のようなものなのかな?」



「魔術、体術、剣術。地獄のような修練ではあったがそれで良いなら頼むのも一興かもな」




 まぁ教えない・・・るかもしれないが。リスクを考える人間である事を祈ろう。




「ダイス殿」



 近衛兵の一人が少し興奮気味に俺を呼ぶ。細マッチョのイケメン、如何にも脳筋ですといわんばかりの暑苦しさを感じる。




「私はクランツ・ライン。是非貴殿にお願いしたい事があります」




 なんだろう?気温があがったかのような錯覚を覚える。さわやか系イケメンなのに暑苦しいとはこれ如何に?



「言うのはタダだ。俺がそれを聞くは別だけどな」




「私は貴殿の武勇を聞きました。そしてそれは魔術のみならず他の武にも精通してる様子。是非私と手合わせ願いたい」




 えーとこれは・・・バトルジャンキー的ななにかか?こんな奴本当にいるんだな。まぁ試合のような物、命を賭けずに戦闘経験が詰めるのであれば悪い話ではないが。




「俺としては良いのだが。クランツ殿はいいのか?貴殿は王の剣であり盾だろう?私闘して良い立場ではあるまい。せめて王の許しを得てからにするべきでは?」




 クランツは凄い勢いで頭を下げ「申し訳ない。余りの興奮で我を忘れてました。王に許可を取りその後にお願いします」




 うわぁすっごい素直。こいつ超エリートだよな?てか当然貴族だよな。嫌いじゃないけど、貴族のイメージとはかけ離れた奴だな。




「その時は是非、俺は言うほど強い訳では無いが。違う動きを見るだけでお互い得るものはあるだろう」




「そろそろ良いだろうか?」




 伯爵は待っていてくれたようだ。



「どうぞ」



「ルイ殿に教えを請うて受け入れられれば。教えてもらえる可能性はあるんだね?」



「そうなるな」



「今度会える様な場を用意して貰えないだろうか?無論礼はする」



「ルイ次第ではあるが。聞くだけはしてみるさ。ルイは今それなりの地位にいる。出来るかどうかは運と思ってくれ」



「それで良いとも」




 それからクランツの話で他の近衛兵も話しかけてくる。終わる頃にはそれなりに打ち解けられたと思う。




 そうそう、この素直さの理由だが会話の中でそれとなく聞いてみた結果。近衛兵になった時王自らそうなる様に矯正されるそうだ。あの王様の以外な一面だ。




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