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意外な恩恵

「これだけは覚えていて欲しい。冒険者ギルドは君と良い関係であり続けたい。何かあれば切る前に相談して欲しい。力になると誓おう」



「レシピの為にそれだけ言うのは組織の長としてどうかと」




 苦笑しながら言う俺に「レシピも勿論だが、君のような存在は他にもいた。関わり方を間違える愚か者のせいで大体は台無しにされるがね。私はこれが一番良いと思うのだよ」



「他にもと言うと?」異界人の事は案外知られてるのだろうか?



「特徴は、まず、何処の人間かわからない。次に画期的な技術や発想。あるいは強力なスキルか有用性が高いスキル。異世界から来たとかのたまう者もいるみたいだけど。誰も信じてはないね」



「じゃあ何処の人間なんでしょうね?」



「国の名前を言う人間もいたそうだが、アメリカ、ドイツ、チュウゴク、ローマ、ソビエト、ヒノモト等々色々記録にはあるがそんな国は無い。というのが事実だ。あれば是非行って見たいものだね」



 やっぱり時代は関係なく来てるんだな。ソビエトって・・・ロシアだよな?



「俺は普通の人間だぜ?国は無いがな。生まれたときから行商人の息子さ。今や俺一人だがね」



「行商人・・・確かに大手でなければ良くある話だね。そういう事にしときましょう」




「後、力を見せるとかなんとかだが、断るよ。手の内を知られるほうが怖いからな。確実に殺した方が早い」



「わかりました。もし関係者がお手数をかけそうになった場合は、遠慮なく処分して結構です、あるいは私が代わりに処分しましょう」




 ギルド関係にもクズはいるわなそりゃ。



「面倒になったら頼むとするよ」




 それからレシピの話(パイ生地)をしてギルドを後にした。




 いつものように買出しをしてると、冒険者が好意的に接してくる。だが違う雰囲気の者もいる。中にはポーションの話をしてくる馬鹿までいる始末。


「俺は料理は出来るが、薬師の真似事はできねぇよ。総長に気に入られたみたいな話があるのなら酒の方だよ、あの人食い道楽だろ?」というと殆んどの人間が納得する。




 気付けば料理研究の人みたいな扱いだ。お陰でやはり扱いは良い。ポーション関連で絡まれる事もあったが、近場にいる冒険者が止めに来てくれる。



 さて、なぜこんなに冒険者が親切か。直接聞いたら驚く程単純な答えが返ってきた。




「お前が作るレシピは全ての冒険者ギルドで最低一度はメニューに並ぶんだよ。それがうめぇ。大体が要望で常時メニューになるんだが。新作を待つファンは多い。おめぇに冒険者は胃袋を掴まれたってこったな。また美味いのを頼むぜ」



 背中をバシバシ叩きながら気の良さそうなおっさんは出て行った。




 娯楽が少ないからだろうか?まぁ良い風に進んでくれて助かった。同時にまだポーションの件は警戒する必要があるか。

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