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帰り道には御用心

 心地良かったんだろう、かなり酒を飲んだ。ほろ酔いには届かないが気分が良い。スキルのせいでだろうがこれ以上は酔えないのだ。まぁいくら飲んでも一切酔えないよりはマシか。



 今は拠点に戻る途中であるが、どうにも気持ちよくは帰れないようだ。何かに尾行されている。気分が台無しだ。このままでは拠点の位置を教えてしまう、それは勘弁願いたい。



 俺は路地に入り、ただひたすら人気が無い方へ進んで行く。監視か暴漢か見極めるのには手っ取り早いからだ。監視なら距離を取ってみている。暴漢なら襲い掛かってくるだろう。



 どうやら後者のようだ。弓が6本、全て別の方向からだ。最低6人か、バラバラに逃げられたら追うのは面倒だ。ここは釣りでもしますかね。



 俺は逃げるように奥へ奥へと走っていく。屋根の上からってのは面倒だ、一旦路地街から出て、街の外壁方面に逃げよう。




 追って来てるな、弓を掠めたが何の問題も無い。俺には3割程度の効力しかないし、その程度なら元の防御力でどうとでもなる。




 路地を抜け、本格的に外周に出ると、魔術まで飛んできやがる。これはリムの所の残党って所だろうか?




 さて、結局壁まで走ってきた訳だが。




「ランニングに付き合ってくれたのは光栄だが、どちら様かな? 複数で走るなら軽くお喋りでもしようじゃないか」わざとらしく、小馬鹿にしたように、尊大に言う。




 まぁ予想はしてたが出てきたのは懐かしの同郷人様と来た。後ろには11人の男、全員装備が良い。数種類の所を見ると、複数の思惑の上って所か。




「久しぶりね、全てを吐けばすぐ殺してあげる」



 実にサイコな雰囲気である。まぁ壁際で逃げ場ないし、普通は余裕でいたぶるような真似をするよな、てめぇなら。



 最近ワンパターンになりつつあるから避けたい所ではあるが、今回は1匹たりとも逃がす気はない。今から始まるのは作業のような殺戮だ。




 彼の魔術を借りるとしようか。その前に槍を一本空間庫から取り出してと。魔術を起動させる。





 分かっちゃいたが、俺以外は全員地面とよろしくやっている。そして俺は作業に入る。命乞いも、憎悪の声も嘆きの声も全て聞き流し、ただ命を刈り取っていく。




 その中に、公爵に命令されただけとか、下らない事が聞こえたから「そうか、寂しくないように気が向いたら公爵様もそっちに連れて行ってやるよ」そう言って槍を差し込む。




 11人は終らせた、最後は今回の騒動の元凶であろう人物だ。



「最早お前には死以外には無い訳だが、最後に言い残す事はあるか?」



「お前の情報は可能な限り広げた。欲の化身が如き貴族共がお前を必ず地獄へ落とすだろう」



「地獄は前の世界の話しだろう?似たような所はあるだろうがな。それにだ、お前のお陰で欲の化身とやらはこないぞ。お前のお陰でギルドはあの国から撤退した。下手打てば国の存亡に関わる、オレ如きに構う暇があるもんか。それでは地獄とやらがあればそこに行くと良い。お前には阿鼻が是非オススメだ」



 人を殺すのに慣れたもんだ。本当嫌になる。女の亡骸に吐き捨てるようにそう言った。

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