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呪い

「同行したい?」



「そうさ、ダイスが何をしてるのかは想像がつく。龍種に貰ったであろう、その偽装具もあるしね。まあそれは口出しする事ではない。ただ気になる事があるんだ」



「それは聞いても?」



「無論、簡単な話さ。かの国の大地が生気を失いだしたのに、人為的な物を感じただけだよ」



「魔術的な?それとも科学的な?」



「魔術的だよ。もし、それが予想通りの事だとしたら。相当気が長い侵略計画だ。諦めも悪いだろう」




「分かった、その姿で行くのか?一応動き易い方が良いだろうから、王に顔合わせをするよう連絡をしよう」




「そういう準備が良い所は嫌いじゃないよ、王とその周囲にしか会わないから問題ないさ。あの国は基本引き篭もり体質だからね」ショタの姿で言われるのには未だ慣れない。



 そうと決まれば念話符だ。起動する。



(御用でしょうか、商人様)



(そちらに紹介したい人物がいるのですが、大丈夫でしょうか?)



(商人様の紹介であれば、問題ありません。どのような方かだけ教えて頂けると幸いです)



(そうですね。私が知る限り、最も優れた魔術師です。見た目は幼子のようですが、年は少なくても50以上。子ども扱いしない事を注意してもらえれば)



(それは、事前に聞けて良かった。家臣には通達しておきます。お好きな時にお越し下さい)




「ルイ、アポは取った。流石にすぐは向こうも困るだろう。明日向かわないか?」



「明日、ここに来るから一緒に行こう」



 転移符の設置場所に向いながら「そうそう、たまには店にも顔を出した方が良い。あの夫婦が心配している」



「ひと段落したら、客として行きますよ。それでは明日」



 その日は空間庫の整理や素材の生成、作成。他に精密機械の作成を試みるが、どうにも知識が足らない。PCとか欲しいのだが。出来ても補助の効果があがるまでは無理だろうが。




 翌日。ルイが来たので、泉の移転符まで移動した。




「これはダイスがやったの?」周囲を指すルイ



「何故そう思われるので?」聞き返してしまう。元からこう言う場所の可能性だってあるはずなのだから。



「それは簡単な話だよ。外法というか、禁止された魔術の出来損ないのような魔術の跡があるからね。これは数十年は前のものだろう」




 そう言ってルイは虚空に向かい手を伸ばし、何かを握り潰した。



「これで、回復はしないが。これ以上土地がダメになる事はない」



 何かの魔術、呪いのような物だろう。全然気付かなかった。言葉からすると土地を枯らす魔術のようだ。



「この国を内側から潰したいようだね。アレだけの壁があれば、何かしら策を練るのは当然だけど、あまりにも悪辣すぎる。やはり、奴等は潰すべきかもね」




「城に向かいましょう」移動を促す。正直このショタの出す殺気が恐ろしいのだ。



「そうだね、行こうか」さっきまでの恐ろしさが雲散する。敵にだけは回したくないと再確認した。

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