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コボルトにも種類があるようです

 結果あの島に移住してきたのは、精霊、妖精、コボルト(ほぼ子犬)ケットシー的な猫の妖精。それと、蜂と小鳥。



 場所は森と花の平原が交わる地点だ。意外に場所を取らないので空き地が出来てしまった。かなりの借金で買った土地だ。どうにか有用活用したいものだ。



 住民はかなり気に入ったようで飛び回っている。とりあえず食料と念話符を精霊の少女に渡す。



「これは何かしら?」札を見つめて首を傾げる。



「それは、念話符、魔力を込めて喋りかければ俺と連絡が取れる。なにかあれば連絡を」



 起動して試し、納得したようだ。



 精霊の少女と別れ、この美しい花の平原を眺めて帰ろう。



 これだけ気温も天気も良いと、昼寝したくなるな。欠伸をしていると、こちらにコボルトが向ってくる。



「人間さん、ありがとうでつ、こんなにいい場所初めて来たでつ」



「喜んで貰えたようでなによりだ。そう言えば、聞いておこうと思った事があったんだ」



「どうしたでつか?」



「お前はコボルトだよな?」



「そうでつよ」犬の見た目のくせに、器用に人間みたいに石に腰をかける。


「俺が知るコボルトはもっと違う姿だと思うんだが、コボルトにも種族が色々あるのか?」



「そのことでつか、確かに山とか洞窟とかに住むコボルトは怖いでつからね」



 やはり、おれが想像しているコボルトもいるようだ。



「そうそう、人間さんはここの領主様なのでつよね?」



 領主って・・・地主ってだけだが、この際いいか。


「それに近い何かかもな」



「ぼくはでつね、一度人間さんに捕まったコボルトなんでつ。捕まった先は豪商と言っても良い商人さん、だから人間の世界の話をある程度はわかるんでつ」



 へぇ、妙に頭が良いなとは思ったがそういう事か、他のコボルトは幼稚園児みたいな、無邪気でただただ遊んでいる感じだが、こいつはそれを見守るように見えたときがあった。



「それは凄いな」



「それにでつね、人間さんがもって来た食料は、かなり質が良い物でちた。確かに妖精の実は貴重でつが、人間さんが僕達に使ってきた物とでは、人間さんが損すると思うでつ」



 そこまで考えるか、あの国の商人は、愛玩動物として捕らえたペットに、教育でもしてるのだろうか?



「確かに、損はするだろう。でも良いんだ。いつかは取り戻せるさ」



 そう言ってコボルトの頭を撫でる。撫でられるのが好きなのだろう。尻尾を凄い勢いで振っている。




「僕達が出来る範囲で、手伝える事があれば手伝うでつ」



「その時は頼む」



 そろそろ戻ろうとも思うがもう少しだけこの景色を眺めていよう。

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