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販売ルート確保しよう

 大体の事は話し終えた。だが、魔術については伏せてある。それはルイ自身も了承した事だ。



 その後は、皆と話し、数日休んでから、とにかく買出しをした。金は結構ある。盗賊の皆様からの頂き物だ。



 そして新たな金策だが、林檎で作るポーションと酒だ。どちらも傷を癒す効果。酒はあくまで実験だけで商品化は未定だ。



 ポーションのレシピ自体はこの世界ではポピュラーで、物が変わる以外は大体同じだ。さてこれを如何に面倒なく売るかだが。



 ギルドを頼る事にしよう。需要もあり、彼等からすれば喉からなんとやらな状況なはずだ。これがあれば引退する人間が現役続行なんて事もあるだろうからな。




 早速試作品をもってギルドへ向う。ここのギルド長は既にガウと総長の息の掛かった人間のはずだ。対応次第でギルドとの距離を測るには丁度良いだろう。




 そういう訳でやってきましたギルドの執務室。名前を出したとたん凄いVIP扱いされましたよ、お陰で周りの連中があれはだれだ?って感じですよ。まぁしょうがないか。




 目の前には大男、図体の割りにインテリめいた佇まいだ。



「話は総長並びにガウェインに聞いております。今回はどのような御用で?」



「異国の地で妖精の実を手に入れてきた。ポーションも作ったが販売ルートがない」



「成る程、確かに私共が欲しくてたまらない物ですな。条件は如何程で」



 こいつは話が早くて良いな。


「出所が絶対にばれないようにして欲しい。面倒は十分だからな、それを条件に6:4だ。面倒な交渉は無しだ、これ以上は無い」



「売るだけで4割、破格ですな、秘匿性を考えれば妥当なラインとも言えますが。とりあえず現物を見せてもらいましょうか」



 1ℓ程度が入る壷を空間庫から取り出した。



「とりあえず、これだけあれば大金貨15枚はくだらないでしょう。これを買い取らせて頂いてよろしいですか?代金は大金貨10枚で。それで効果に問題が無ければ残りも買い取りましょう。それと、これは総長が出るべき案件です。申し訳ないが、1月ほどこの町に留まっていただきたい。その間は1日銀貨5枚を約束しましょう」




「随分と気が利くな、いや利きすぎではないか?」



「最初に言いましたが、貴方の事は聞き及んでいると。非常に警戒心が強く、何処ででもやっていけるだけの才があるとの事。 ならばギルドとしましては総合利益を追求したほうが良い。それだけの話です。馬鹿な貴族共と同じ真似はしないという事ですよ」



 それが本当なら非常にありがたいものだ。



「北風と太陽のようですね」



「なんですかな?それは」



「童話ですよ」


 話を簡単に教えると笑いながら実に愉快な話ですなと、握手を求められた。



「私はクリート。ダイスさんとは末永く、商売がしたいですね」



「こちらもだ」そう言って握手をかわした。



 本当に長くやれる事を願っているよ。


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