表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

107/397

欠片の中

 目を開ければそこは、見知った一年近く世話になった部屋の天井だ。俺が目覚めると共にミルが部屋を飛び出していった。



 凄まじい物を見た。彼の半生を。無論空きは多い。しかし、彼が何を思い、何を成したか。それは理解できた。



 ルイの息子であるのは間違いない。記憶に授業参観に来ていたルイが学生と間違われて先生に怒られる記憶があった。



 出来事だけ見ればラノベか?で済んだ。そこに一つ魔術に対する知識が混じらなければ。



 多分、彼の禁術を除く最上位の魔術だろう。効果は簡単で、彼が思う原初への帰化。そんな領域を生み出し自在に消したり出したりする。




 所で我が故郷の諸君、知っていただろうか?我々は既に魔術師なのだ。ただ体感できないだけ。体を動かすのに多少ではあるが魔力を使っているらしい。それは人に限らず全てに言える。



 この領域ではそんな魔力が体内の物も含めて全て消失する。すると生き物はこの補助を失うのだ。一般人だとこの効果は大したことなく、風邪かな?ダルイな程度だそうだ。



 この法則の中ははっきり言って不便の塊だ。使えなくなる物に科学反応など人が見つけ出した概念も含まれてしまう。




 それがこの欠片から手に入れた魔術だ。使い勝手は非常に悪い。だがこの有用な使い方は見てきた。あとはできるか次第だろう。




 にしても喉が渇いた、腹も減ったな。全身だるいし、後で食事をもってきて貰うように頼むか。




 血相を変えて部屋に入ってくるルイ。



「ダイス、大丈夫か?」



「ダルイ、空腹、喉カラカラ、後は大丈夫だ」



「5日も目を覚まさないから、焦った」安堵からか座り込むルイ。



「今パン粥と水をもってこさせる。ゆっくり食べないと危ないから気をつけて」



 しばしして、パン粥と水が届く。粥はミルクとチーズが使われている。そこそこ貴重品なのだがな。気遣いありがたく頂こう。




 なんとか人心地ついた。



「ダイス、悪いが内容を聞けるか?」



「ああ、確かにアンタの息子の記憶だろうな、アンタが出てきたぞ」




 それから 唯々話した。彼の半生を、ルイが死んでから、魔術師に魔導士の資格欲しさに攫われ、強制的に弟子入りさせられ、ある程度の修行の後、魔術学園。それからは色々あり。静寂と闇の精霊の下へ従者として就職? 全く凄い経歴である。そして戦争と異世界への逃亡。こんな所であろう。




「それが息子か、顔の特徴とか妻の物と良く似ている」




「ルイ、一つどうしても気になった事があったんだが、聞いて良いか」



「ああ、いいとも」



「ルイは死んでこちらに来る時、体が若返ってそうなった訳ではなく、元々そうなのか?」



「予想に過ぎないが、体は全盛期の時の物だと思う。家系の、いや、魔術の問題で全盛期はこの姿なんだ。色々弊害も多いけど、そういう家系なのさ」




 特殊性癖の皆様に朗報です。ルイの家系はGOHO的なロリとショタがいるそうです・・・俺?俺はこう、バイン・・・・なんでもない。お姉さんのほうが好きなのだ・・・誰に言っているんだ俺は・・・




「ダイス、ありがとう。息子は己が道を行き、辛かろうがしっかり歩いている事は良く分かった。それだけで十分だ」




 ルイはとりあえずは満足してくれたようだ。俺は信じられないくらい、気の長い課題を貰ったが、身になる事だ、頑張ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ