D-4 呪いは辛きモノ
前回のあらすじ
・もっと攻撃系スキル増やそう。
まぁ、見つからなけりゃどうしようもないんだけど。
いやぁ~タコの体って割と動かすの難しいんだよね。正確には、それを攻撃に転用するのが難しいんだけど。
師匠が続けて言う。
{そうだなぁ・・・MPの消費が出来ないようにしとくか。
・・・もちろん、さっき教えたあの言葉とかも使えないようにするからな?}
・・・先に読まれたか。
折角使おうと思ってたのに。
ま、いいけど。初心に帰ってやりましょうや。
懐かしいの~。触手と嘴だけになるんだよな、攻撃手段。
相手によっちゃ触手で貫く、なんてこともできるかな?
『鑑定』してみて防御力が低かったらしようっと。
そう考えるとこの体って割と万能型だよな。
まあ魔法は微妙に違うけど。俺がやり過ぎただけだし。
タコっていう生物自体が割とハイスペックだからな。
ああ、そういえば。
{師匠、相手が魔法を使ってきた場合はどうすればいいですか?}
相手が俺と同じ戦いをする保証なんて、ない。これは文字通りの命をかけた戦いだしな。
よくよく考えれば俺って完全に奇襲特化の性格だし。
相手に攻撃されるときついな。主に精神的に。怖い怖い。
{え?何言ってんだ、お前?
んなもん、魔法なんて撃たれたところで食らおうがなんもねぇだろうが}
・・・あ~そういえば師匠は防御特化だったけ。
かなり戦闘スタイルが違うからなぁ・・・
まぁ、種族とかいうレベルの違いじゃないしなぁ・・・そんなもんか。
{それでは師匠、獲物を探しますか。}
{そうだな。さっさと行くぞ}
・
・
・
{にしても見つからんなぁ。なんでだ?
欲しくない時に出るのはやけに多いのに}
{さぁ?なんででしょうねぇ?
見つけたいときに限って出てこないのに、別の話をしてる時はわらわらと出てくる。
・・・一体、なんででしょう?}
・・・。
・・・。
沈黙が辛い。
3時間も探してんぞ?
ほんと、なんで師匠から課題出された後に探すと出てこないんだろうか?
なんかの呪い?
まさかね。
{師匠、ふと思ったんで聞きますけど、あれだったりしますか?
課題を出したら弟子はそれを突破しにくい、みたいな呪いでもかけられましたか?}
{きゅ、急にどうしたよ?流石にそんなのかけられてねえって・・・
ん?かけられてないっけ?}
あ、なんか変な空気になっちゃった。
どうしよう?
{すまんな、アキラ。そう言えば昔、『対人軍』に所属してた頃ちょっと副隊長同士で賭けしててな。
・・・その時に『弟子が苦労する』ていう呪いかけられたわ。すまん}
マジですか・・・。
俺って師匠がその時負けたせいで呪われてるの?
マジですか・・・。
ちょっと頭が情報の処理に追いついてないわ。無理無理。
ま、どうしようもないんだが。過ぎたことは仕方あるまい。
にしてもそれに対する謝罪が「すまん」だとは・・・
師匠らしいっちゃ師匠らしいけど。
{ま、まぁいいですよ。師匠だって負けたくて負けたわけじゃないでしょうし・・・
過ぎたことは変えられません}
{いや、ほんとにすまんなアキラ。嫌になったら俺の元で無理にいる必要はないんだぞ?}
{いえ、流石にその程度で弟子をやめたりしませんよ・・・}
それにしても、『弟子が苦労する呪い』ねぇ・・・
どうやってかけられたんだろう?やっぱ『マギラーチェ語』かな?
割とそうかも。
その『苦労』の結果今ずっと探してるわけですが――――見つかった。Eランク程の奴がここから1Kmほど先にいる。
{師匠、いました。
Eランク程の魔物が1Km先にいます}
{おお、お前も気付いたか。
まぁ、このまま進むぞ。20分後には戦えるだろう}
やっと実践か・・・
ほんと、探すのに時間かかるな・・・
すいません、戦闘シーンを先延ばしにしてしまいました。
いやほら戦闘シーンで一話を丸っとつぶしたかったんや