E-9 試練
前回のあらすじ
・魔法教えてもらった。りした。
神界っていうと神話で神がいるってされてた所?え?でも神話の話でしょ?
{いや、『神界』って神話の話ですよね?どうして僕が行ったことになるんですか?}
{過去に一度だけ言ったことがあるってやつの話を聞いたからだ。
・・・まあ、噂なんだけど。
ま、お前のいた場所とその噂になった場所の情報が一致してる。だから多分だがそうだと思う。}
多分か・・・。でも、本当だったら凄くね?神がいる場所に行ったんだよ?
・・・面倒事しか思い浮かばねえ。
{ちなみに、その行ったと自称するのは誰なんですか?}
まあ、正確には「自称してた」っていう方が正しいんだろうけど。
{・・・『勇者』らしい。魔王殺しの前にそう言ってたらしい。その場にいた数少ない生き残りからの話だ。}
こりゃまた勇者とは。えらい大物が出てきたものだ。『はじめの一歩』さんこれは本当ですかね?
<・・・本当です。かの『勇者』は『神界』へと行き、神から加護をもらっておりました。>
神からの加護か。そりゃ、凄い。
・・・ん?待てよ?『神界』に行って勇者が加護をもらったんなら、俺らだってもらってるんじゃね?
<はい。その通りです。それぞれが貰った『特典系スキル』がそれに当たります。>
キター!神様からの加護キター!これは調子に乗ってもいいんじゃないかな?俺らの時代来たんじゃないかな?来たよね!調子に乗ってもいいよね!
あ、でも俺の奴のうち一個ほぼ意味ねぇわ・・・。というか、若干マイナスだわ・・・。上げて落とすってやる分には良いけどやられると最悪だわ。
いや、でも『はじめの一歩』さんという優秀なスキルがある。あれだって役に立ってるっちゃ役に立ってるし。うん、落ち込むことは無い。うん。気にしたら負けだ。うん。
{『神界』に行ったんならお前の異常も納得だ。}
「異常」ってなんだ、「異常」って。称号に『異常』持ってるやつが人の事異常とか言うな。
{よし、ちょっとテストだ!}
え?ええっ?
{俺はほとんど教えてない。本当に少しだ。つ―かそもそも教えるの苦手だ。だからお前をテストする。
知性のなさそうなDランクの魔物狩ってこい。知性があれば多分、『対人軍』に入ってるやつだし、そもそもEランクじゃ勝てん。知性があるかないかはかなり大きいからな。まあ、取り敢えず狩って来い。}
師匠ってこんなに話を強引に進めるタイプだったけな・・・?
ま、いいか。
そういえば、格上と出会ったことねえんだよなあ。運が良かったんだろうか?
見つけるのがまず大変そうだ・・・。
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現在、3時間経過。まあ、おおよそだけど。
いない。どこにもいない。『気配感知』フル動員しても見つからない。なんで?乱獲でも起きてんの?場所が悪いの?『気配感知』進化のおかげで使い勝手良くなったよ?
<「マリス海」周辺は『対魔物連合軍』により、Dランクの魔物の大半は駆除されています。>
ちょっと、『対魔物連合軍』や。なんてことやってんのよ。つーかなんでDランクだけなんだよ。Cとかも狩れよ。つ―か前に、人間が師匠に襲い掛かってたじゃねえか。
<『対魔物連合軍』において討伐が推奨されているのはDランク以上。故に、弱い魔物は進化すると優先的にすぐ狩られます。DからCに上がるのは、かなり難しいとされています。>
・・・マジですか。まだ死にたくないんですけど。
他の転生者はまだ赤子じゃん。こんなところで死ぬとか・・・ね?