表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/119

E-5 オンソル海戦(追憶)

前回のあらすじ

・師匠の過去。

 最初に出た感情は「驚愕」だった。まさか、と。

 次に思ったことは「疑問」だった。どうして?と。

 最後に思ったのは「恐怖」だった。俺も死ぬかも、と。




{坊主、おめえさあ、どんなに強い奴だって死ぬときゃ死ぬんだ。それはどんな奴だって例外じゃねえ。どんなに強くなっても、今度はさらに強い奴に殺される。あいつだって、俺だって、おめえだって例外じゃねえ。そんでもっておめえの疑問に答えてやんよ。なんであいつが殺されたか。普通は話さねえんだがな。今回は特別だ。おめえの未来の為にも話してやんよ。オンソルの海戦の一部始終を。}

                       ・

                       ・

                       ・


 戦自体は海中で行われたんだ。

 え?海の中に人が居れるわけがないって?

 まあ、普通はそうなんだが、「海人」がいるんじゃそうとは限らねえ。まあ、問題はそんなとこらじゃないさ。


 最初は優勢だった。


 人と魔物じゃ魔物の方が圧倒的に強ぇ。前衛部隊と前衛部隊がぶつかった時、人族は一瞬にして海の藻屑へと変わっていったよ。そのまま前衛部隊は進んでいく。


 ま、俺らは後衛部隊だったからな。前衛がヤバけりゃ魔法をぶっ放すだけの簡単なお仕事さ。その時は問題なんて一つもなかった。


 だれも、その海戦で最も脅威となる奴に気付いてなかったんだ。


 前衛部隊ならまだしも後衛部隊ってのは半ば予備兵みたいなもんだ。最前線で異常があったのか気付くのは難しい。指揮官じゃねえ限りはな。まあ、副隊長っていう立場もあって重要な情報は知ることが出来た。


ほとんどは戦勝報告だった。今まで続いていた負け戦に比べりゃ不自然なぐれえのいい知らせだった。

 生物ってのは不思議だよな。負けている時は限界まで集中してミスを逃さないのに、勝ち始めると油断してすぐに負けちまう。まあ、俺もあいつらの事は言えねえんだが。

 同僚と一緒にバカみてえに喜んでたよ。


 あの後あんな目にあうと知ってりゃ、油断は絶対にしなかったのによ・・・。


 でも、喜んでいる時は重大なミスを見逃しちまうもんだ。


 そのミスが全体としては良くても個人としては悪いんだから、質が悪いよ。

                        ・

                        ・

                        ・

 異変に気付いたのはいつだったかな?海戦が始まってからだいぶたってたと思う。その異変は最初全く気にならなかった。


前衛部隊が段々と減っていった。少しずつだ。今までより減る速度がほんの少しだけ早くなっていた。それも、一部だけ。ほとんどの奴は気付かなかった。俺だって、ちょっと減ったなあ、ぐらいだったしよ。

 でもそれが本当の脅威だったんだ。


 だんだんと減る速度が速くなっていった。一部を中心にして陣形が崩れ始めた。


 そしてあいた穴はとうとう俺ら後続部隊にもやってきた。


 まあ、後ろだったからな。あれが来るのは少し遅かったよ。まあ、少しだけなんだが。


 現れたのは人の切り札の一つ。七美徳スキルを持ち魔王軍に対しても『英雄』による魔王殺しを一〇年早めたとされる怪物。の一人。


 『謙虚』だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ