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模倣する夢

作者: 戦艦大和

スライド式ドアに手を掛けた私は、緊張をほぐすため深呼吸をする。


今日から私はこの学校の教師となる。

教育大学を卒業して、教育実習中にお世話になっていた小学校へ来たのだ。


私は子供が好きだ。

無邪気で明るい子供達が大好きだ。


いや、それだけではないのだろう。

親も教師だったし、そんな背中を見て少し憧れていたのかもしれない。

とにかく、この職に就けたことを誇りに思う。


私の進路が決まった時は両親がとても喜んでくれていた。特に父は、「同じ学校に来るまでこの仕事は辞めれんな」なんて言い出したほどだ。

恥ずかしいけれど、嬉しい。


よし、落ち着いて来た。

さあ、入ろう。


ドアを開けると、子供達は皆下を向いていた。

元気がないのだろうか?会話があってもおかしくは無いはずなのに。


いや、きっと大人しい子達なのだろう。

もしかしたら、この子達も緊張しているのかもしれない。


だとしたら私がしっかりしなければ。

教卓まで歩き、生徒達の方へ向く。まずは自己紹介からだ。


「今日から、一年間みんなの担任になります。よろしくお願いします」


礼を済ませたところで名前を言い忘れたことに気付いた。

思いの外緊張が取れていなかったのかもしれない。

でも生徒たちの反応は無い。


下を向いている生徒ばかりである。

これはとても骨が折れそうだ。しかし、不思議と負の感情は湧かなかった。

これから一年間でどれだけ出来るか楽しみだ。




臨時ニュースをお伝えします。

昨晩、奇妙な声が廃墟から聞こえたとの通報を受け、警察が調査しましたところ、数十人の児童の遺体が見つかったそうです。DNA検査の結果、数週間ほど前に起きた連続失踪事件の被害者と一致したようです。

警察はその場にいた二十代の女を誘拐殺人の容疑で逮捕しました。調べによりますと、容疑者は遺体を並べ何かぶつぶつと呟いていたようです。

現在事情聴取中ですが、難航している模様です。


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