38/136
アルカヘスト
街中を照らすほどの街灯や
賑やかな旋律でさえも
ぼくにとっては、乏しく感じるのです
そこには、アイデンティティーが生きておらず、逃避しているからです
ぼくには、あたりまえなことは、一つとして無いのですが
一体それは、どこから来て、どこに還るのでしょう
黄金を告げた賢者達の言が
いつからか風化してしまいました
なんて嘆かわしいことでしょう
ぼくのなかのなかにあるポエジーや
人々のなかのなかにあるリーディングは
決して忘れてはならないのです
それは心のなかのなかに、いつの日にも、宿っていて
憧憬を消そうとしても、消えないのと、同じです
それはアーリオン伝説のように
とこしえからとこしえなのです
つまり、葉脈に眠る秘儀や
子供達の無垢なる輝きは
決して失われることがないのです
ミクロコスモスも、マクロコスモスも
ひとつなるうたによって
アレキサンドロスに復活の御命を授けるが如く
陶冶されているのです
きみやぼくのなかのなかで
黄昏ている御光や天稟に
さらなる栄光がありますように




