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帰郷
楚々(そそ)とした花が
咲いたのは何故?
ああ 愛しい君よ
何故 私の心に咲き続けるの?
あの やわらかな息吹に
私の涙は溶けていった
何故 枯れないのでしょう
私は 諸々を尽くしたけれど
この心と躰からは離れていかない
離れない 離れないよ
ああ 可憐な花よ 可憐な花よ
貴方の花粉で私は
満たされていたのです
新たな生命を得て
新たに散ることが
赦されたのです
その口元から
兄弟姉妹は繋がれていきました
忘れることを知らない花よ
故郷を思い出すたびに
その馨りに包まれてしまうのです
歌の精よ 歌の力よ
私を導いて下さい
美しき日々よ
天は御命なる歌によって
その御経綸を
この地におきましても
呼び起こされます
神秘なるその御名よ
私達にも御力を御与え下さい
私達はこれからも
生き、生かされたいのです
ああ かの花弁は
芙蓉峰のよう
貴方とお会いする頃には
私もまた…
甦ることを
赦されることでしょう
花の御心よ
私のなかで
貴方のなかで