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花束
『花束』
波間に揺れる 潮のざわめき
水面にて目覚める 悲しい水晶に
天は一つの花束を投じて
心はまことに 移り変わる
あたりは一面 恍惚の飛沫となり
喜びは あの浮雲まで届いて
やがて 歌声は 僕の足元で翼を広げ
世界の千仞を 見つめようとする
おとぎの砂浜に暮らす 嫋やかさに
言葉の胸を口ずさむ
言葉には聖なる命が呼吸して
鳥たちはミューズの女神と 囀り分かつ
風はアモルを 呼び起こし
木の葉の煌きに 想いを募らせて
あの人に 抱かれる
二人は花輪の 愛を育み
今こそ世界は イリスと戯れ
口づけを交わす
ここかしこ 白い花の馨りに 包まれて
とこしえの光に 再び甦る
ああ 天なる花婿 花嫁よ
ああ 一つなる花束よ
この アスファルトに
咲いてください
咲いてください
咲いてください
『夕』
薄紅の町の影に 想いを馳せる
友の歌は淡くも 途絶えず
聲は歌にして 初めて憐れむ
海鳥は黄金を運び 窓辺を立ちて
さざ波は 涼やかなる 空を教える
人の声はあたたかく 風は心に伝い
碧落に聳える 山々からの濤聲は
永久を喜び 渚に還す