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血漿
グローリアス!不連続な沈黙の音楽と
その合唱が萌えいづる
マルーン(えんじいろ)に染まる
泉の鏡がミューズの乳房で割れた
菫青石の涙が
蜃気楼の頬に伝う
砂漠に取り残された
少年少女の胸に散らばる
数々の記憶の破片が
白月の血に沁みいり三度甦る!
調和的な数字の羅列が回転し
あたりにある有象無象は
様々に変容し、それらが独自に震動しながら
活闥な連鎖反応を起こし
巻き上がり、次第に稠密して
愈々(いよいよ)と繚乱たる光彩を放つ!
その光の尾てい骨が
紫紺に泣いた沃土の頭頂に合掌し
視界に望むあたり一面は
白磁の波を打って潤い
古代から流れくる語調の血漿に
世界は酔いしれる!
あらゆる存在は聖なる息を吹き返し
存在は存在の原初の至福に到達する!




