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沈黙のとびら
ー結局のところ私は万事に仕える沈黙(絶対界)に
助けられてきたように思い、ここに観想するー
彼は時には、あの空に現れて
彼女は、この木槿に懐かれる
それは、人の思惟は乏しく
余多に結ばれて
ある時には、小鳥の囀ずりに
昔昔には、かの瞳に
それから三千年経った古今には
あなたとわたしの胸の内に
それを閃いたとき
なにを想うのだろうか
その戦慄には
生きていたのであろうか
言という
かの御命においては
死して、尚も、いきいきとし
愈々(いよいよ)と、お伽噺を甦らせ
日の聲に、ますます誘われる
葉の泡沫がふたたび
雫に変わるとき
その夢の心が地に横たわる
それは、痛く
それは、狂おしく
それは、儚げであって
心強く、やさしいものだから
その光の呼吸に私は座わる
無常という常のもとに
私達は生き
如何なる、つとめであっても
心という不確かな悦びに
確かに、還りゆく
そのさまは、一枚織りの
天の羽衣のようでいて
この眼に映ること
能うことなし