VRMMO、地雷スキル
次に参考にさせていただくのは、かの有名な作品でございます。
名前も出さずに、何が「かの」だよ、と罵倒してくださって構いません。
この作品は、VRMMOの中でもかなりの人気を誇り、掲載話数も多く読みごたえのある作品です。
こちらもまた、VRMMOの「お約束」を見事に調和、というかこの作品が幾つかのお約束を作ったのではないかとさえ思っております。
こちらで使われている「あるある」とは、「妹から誘われて始めた」、「主人公が女顔で機械が誤作動を起こす」に「地雷スキルの組み合わせでユニークなスタイルを確立する」、さらには「掲示板による主人公の人気っぷり」といったものです。
これらの組み合わせにより、主人公は不本意ながら目立つというまさに巻き込まれ系のキャラとして不憫さに燃える展開を混ぜたものとなっております。
こういった話では生産系に強いのも多いですね。この物語でも主人公は生産系で強いです。
当然、VRMMOの人気作品の前提条件として、多くのスキルやフィールド、イベントなどのゲームとしての作り込みが入念です。
本当にこんなゲームがありそうだ、と錯覚させられる作り込みに、次々と主人公を巻き込む諸々がうまくマッチしているからこそのクオリティーですね。
ただ、前回のような主人公の爽快なバトルからはやや離れるため、痺れるような熱いバトルはありませんが、その一方でリアルも絡めたシチュエーションと主人公の可愛さに萌えてくださいというものです。
主人公自体は最強でもないのですが、唯一性という点では負けません。周りの人物が有名な人ばかり、というのも好みの要素の一つです。
このジャンルでの主人公は受動的であるのが望ましいですね。そうか、強さにこだわらないなどゲームを独自に楽しもうとする中で強かったり活躍したりというのが好まれやすいように思えます。妹に誘われるのも、自分から始めたわけではないというゲームでのんびりしている理由の一つに繋がっているのではないでしょうか。
とここまで褒めちぎっておいて、私自身は「女顔で機械が誤作動を起こす」というお約束で男女問わずモテモテという展開がさほど萌えなかったりします。それなりに楽しめますが、それを一番の「お約束」とするには、やや難があるというか、このお約束は物によっては壊すのもよいかと。
もしかすると主人公の容姿が優れすぎて、それがやたらと評価されるものに感情移入できないのかもしれませんね。
なんとまあ、容姿に自信がないどころか、性格までひん曲がっているとはつくづく救いのない人間ではあります。
無意味な自虐を挟んだところで、個人的な趣味はおいといてですね。
イベントから何に至るまで、多彩なストーリーではあるのですが、デスゲームでも異世界転移でもない以上避けられない運命としてのサ○エさん的日常系に分類されるのではないでしょうか。
何が言いたいかというと、完結がない物語であるということですね。
ほどほどに情景描写もあり、文章は正確で読みやすく、更新も安定していると作品としてはおそらくは完結せずとも完成された状態でしょう。あれば、VRMMO物の戦いばかりは飽きた、もっとほのぼのしたスキルの工夫やイベントをゲーム的に楽しむ物が見たいという方にはオススメですね。
次回は、小説家になろうを知らない人さえ知っているかもしれない超有名なものから紹介していきましょう。
三作品を参考にしますが、その中でも二作品は私も大好きで、こういったサイトで完成された作品というものはなかなか出会えないのですが、そういったものであると思います。
私の好みと合致しすぎて褒めすぎるのが不快だと思えば読み飛ばしていただいても構わないです。
共感、批判、ご要望などございましたらお気軽にどうぞ。