自分の好きな要素
この中ではアンチや叩く人の言葉、意見を引用してありますが、その引用元である大手掲示板のまとめサイトなどに足を運ぶことはオススメしません。
特に、異世界転生物や召喚物、悪役系女性主人公などの作品を書いている方、モチベーションを下げたくなかったら悪いことは言わないのでやめておきましょう。
異世界転生物や召喚物で書籍化を控え、感想欄にて挿絵批判やポイント乞食などとボコボコに言われている作者様、あなたなんか特に。
いや、むしろ精神力が強そうだから大丈夫……なのでしょうか?
私の好きな作品のお話です。
ここまでの考察もどきの中で、私が別に主人公が強いことに対してや、ハーレム、逆ハーレムにさほど嫌悪感を抱いていないことはわかってもらえていると思うんですよね。
ちょくちょく他の作品や自分の作品の話を混ぜながら語っていくことになるかと。
私もまあバトルがあるなら勝つ場面の方が好きですし、人がいるなら好かれる方がいいですよ。ただ、無条件の「こいつは特別だ」はやや苦手ですかね。
逆にとてもツボにハマるのが、主人公ドン引き系。
やることなすことがぶっ飛んでたり、発想がおかしかったり、思いついてもやらないだろ、みたいな頭がおかしい主人公の行動に敵味方問わず諦め始めるような作品が好きだったりします。
というか二種類の主人公が特に好きです。
善良であるのに勘違いや不運で酷い環境にありながらも明るくがんばっていたり、復讐に燃えている人。例えば前者だと悪役顔の貴族令嬢であったり、悪役に転生した天然ちゃんですし、後者ならファンタジーで異世界に召喚されたけれども他の人と違う場所にいたりするとかでしょうか。
このタイプは前者は周りと主人公のギャップ差にやきもきするのが楽しいですね。後者はカタルシスでしょうか。酷い目にあっていればあっているほどに後々報われた時の喜びが大きいやつです。
他の人がある程度生活を保証された場所で頑張る、目標に向けて努力する、などと言っている間に、生きるために強くならざるを得ない主人公なんか楽しいですね。
主人公が酷い目にあっているのを見て楽しむってやっぱり自分はSだかMだかのケがあるようで。
次にドン引き系。主人公が普通の人はしないようなことをしていて、誰からも尊敬されたり褒められたりしまくるよりは、怯えられて逃げられるような方が好きですね。あれですよ、主人公の魅力は周りの人間だけがわかってりゃいいってやつです。そんな仲間でさえも、主人公の非常識具合に諦めるぐらいがいいですね。
最近見つけたこの二つを兼ね備えたのが、魔王扱いの主人公でしょうか。ランキングで名前こそ見ていたのですが、長さと重さに食わず嫌いをしていて、読み始めると止まりませんでしたね。報われるか、報われるか……と期待するたびに叩き落とされる苦難の数々、主人公も強いはずなのにそれより圧倒的な敵や数の暴力に強さではどうにもならない苦境。そしてヤンデレのヒロインがスパイスとなっていて、なるほど、人気なわけだと。
言ったかどうだか忘れましたが、私はよほど戦闘描写が上手い作品でないと、まともに剣と魔法で戦うのって読み飛ばしたくなりますね。
アニメとかだと一番爽快シーンなんでしょうけど、小説だとすっ飛ばしたくなるのはどうしてでしょうか。
じゃあファンタジーならどうやって勝つのが好きなんだよ!と聞かれれば、知恵と知略を使った頭脳戦が好きですね。
なんというのか……剣と魔法が得意な人が剣と魔法で相手を倒せるのって言ってみれば当たり前じゃないですか。
それって50メートル7秒の高校生が50メートル8秒の中学生と直線でかけっこして勝つようなもので、そりゃあ速ければ勝つよね、となるんですよね。どこか緊張感がないというか。
それなら50メートル8秒の中学生が複雑に入り組んだ場所でゴールを目指して勝負して、工夫して勝てた方が楽しいと思いますね。
次はどんな勝ち方をするんだろう?
そんなワクワクがある作品がツボです。
特にその戦い方が、既出のものを組み合わせたものや、誰にでも思いつきそうで思いつかない盲点であったりといったものだとなお良いです。
逆に苦手なのは意思や考えのない主人公です。
主人公は感情移入の観点から、人格としての個性をそぎ落とされることがあります。いわゆる巻き込まれ系というものです。
もちろん、正しいからという理由で上に従うだけの主人公であったりだとか、そういった「自分だったらしたくないよね」といった違和感のある行動はどうかと思いますよ。
そうではなくて、自分の意思で進む方向を決めて、「確かにそういう場面ならそうする」といった人格にそぐう選択をとってほしいとは思いますよね。
主人公は自分を客観的に見れるのもいいし、主観的で勘違いしているもの好きです。
しかしあまりに周りの人の感情に疎いと、読んでいてイライラするかもしれません。その部分はきっと作者さんの書き方の力からくるキャラの描写によるものなのでしょうね。
ストーリーとしては、作者さんが考えているんだな、と思える作品が好きですね。それはストーリー性であったり、世界観であったり、魅力の部分、登場人物の心情、設定やメッセージ性といったものですね。ヒロインや男性に惚れられた状態で始まるのは苦手ですかね。
恋愛小説にしろ、そうでないにしろ、恋愛感情を抱く理由、または恋愛感情以外の感情を組み込むことでもっと楽しく読んでられるんですよね。
そういう意味では異世界物のお約束である「奴隷少女を買って優しくする」までの流れはすごいですね。
これを怖そうと思うと、奴隷に関わらないか、奴隷を男にしてヒロインを別にするか、とかになりますか。
ああっ、そうだ、主人公が奴隷で買われて優しくされて落ちるまでを書けばいいんですね!
ってそれは銃器無双の小説でやった展開でした。
というわけで、完璧にオリジナリティーのある魅力溢れる展開というのがいかに難しいかって話でしょうか。
さすがに奴隷少女と迷宮に入るお話や奴隷少女と内政成り上がりは既に人気作品が多いですよね。
オリジナリティーってなんでしょうね。そんなことを思う今日この頃です。
あ、話がそれました。
話の冒頭から話の最後が考えられていたりすると鳥肌ものです。前フリとかも大好きですね。
そういう意味ではランキングトップのかの作品なんて素晴らしいですね。
僅か十数話目で家庭教師をしているお嬢様から教えられた英雄の住む天空の城に、百、二百話も後に行ったりしますし。
後は好きな作品に対するアンチテーゼ的なものも好きですね。
好きなものが叩かれたり、褒められたり、批判されたり、考察されたりとか大好きですね。直接間接かかわらず、そういう作品は作者さんの意思が入ってると思うので。
やっぱり自虐癖があるようで。
後は既存条件の崩壊も好きですね。
まあそれこそポピュラーなのは日常から非日常への転換ですが、それ以外には男女の価値観があべこべであったり、男女比の崩壊であったり、その他ジャンルの人気作品であるあの作品のように、悪役が主人公である、とかですね。
後はなにがありますかね。
終わり方、でしょうか。
その作品に伝えたいようなメッセージ性があるならばトゥルーエンドも好きですが、そういうものではない場合は基本ハッピーエンドが好きですね。
私の両親も本を読むことは好きなのですが、その部分についてはやや母親とは食い違うんですよね。
母曰く。
「娯楽のために読むんだから、どうしてハッピーエンドではないものを読まなあかんの?」
らしく、トゥルーエンドでもハッピーエンドが良いそうです。
私は某魔法少女物を楽しめたり、おそらく完璧なハッピーエンドとはやや違う終わり方になるであろう巨人の物語や、2丁拳銃の男装少女と二輪の二人旅など、ハッピーエンド以外でも結構楽しめますね。
ただ、長編であればあるほど、そして主人公に感情移入させられればさせられるほどにハッピーエンドは求めたくなります。
それはそうでしょう?
誰も好き好んでバッドエンドに進みたくはないでしょうし。
それこそ、物語における最大のお約束みたいなものです。
子供向けおとぎ話がどんな過程を経て、どんな戒めが含まれていようとも、めでたしめでたしと終わるような、そんなお約束です。
とまあ、ここまでつらつらととりとめもなく私の性癖、もとい好みをバラしてきたところでどうしてそんな恥ずかしい真似をしたのかという今回の主題に移りましょうか。
あなたが小説を読んだときに、何を重視していますか?
別にこれは義務でもなんでもないんですけどね。このエッセイにての主題みたいなものなんですが、これをするともっと別の楽しみ方が見えてきますよ、というものです。
あなたは小説を読んだ後に、自分が面白いと思った理由を考えていますか?
これは小説家になろうで異世界で主人公が活躍する作品をたくさん読んでいるとなることがある傾向ですが。以前の友人の言葉で、
「なろうはアイデアを楽しむ部分があるから」
これを聞いた時に、某大手掲示板まとめサイトであったこんなコメントを思い出しました。
「文章力よりも題材一発勝負でどれだけ俺TUEEEを先鋭化させられるかになってる」
ふむ、なるほどと思いましたね。
異世界やストーリーをいじくりまわすのではなくて、主人公の強さをいじくりまわす。
確かに、以前言ったように、小説家になろうの異世界ファンタジーでは主人公の強さをいかにうまく描写できるかが重大な要素です。
神にもらったボーナスがどのように活かされるか、それに対する周りの反応の二つが主人公の平凡さに特別を加える、そのような感じです。
だから、そういった作品の魅力を誰かに話そうと思った時に、
「こんな場面が斬新で」
「こんな風に面白くって」
と出てきた部分がコメディー的な部分であったり、主人公がどんな強さかであったりはしませんか?
そうならない人はきっと無意識のうちに「どこが面白いか」を把握して読んでいるのでしょう。
「とにかく主人公が人間臭い」
「強さを活かしてストーリーに組み込めている。バトルが熱い」
「修羅場のシチュエーションがたまらない」
「文章がわかりやすくて読みやすい」
まあいろいろとあるでしょう。
とそういった部分を自覚していれば、自分がその作品を面白くないと思った時に「その作品のレベルが低いから」のか「自分の好みではないから」なのかがわかりますよね。
ハーレム嫌いでもこの作品は読める、などという人がいますが、それはおそらく自分がどういったハーレムが嫌いなのかを把握されていないのでしょう。だから、たまに自分の好きなハーレムが出たときに作者の技量のみだと思うのでしょう。
ハーレム嫌いの人向けのハーレム作品だってあるということです。
一つ好きな作品を思い浮かべ、どの部分が好きか語れますか?
毎度きわどい話を持ってきているのですが、ここをそれこそ書籍化作品やランキング作品の作者が覗いておられたならどう思われるのか甚だ怖いですね。
どうぞ、マイナー作者が偉そうに言ってんなよ!と
次回で最後になりますかね。
「終わりに」