人気ジャンル
このサイトでは始めに言ったように、異世界ファンタジーやVRMMOというジャンルが流行っています。
ならば手始めに話すことになるのも必然的にそういったものになります。
ランキングなどによる、システム的なスパイラルなどについては触れないでおきましょう。そればかりは前述のようにどのサイトでも同じような現象が起きていますので。
では何について話すのかと申しますと、純粋にジャンルとしての需要と書き手側からの都合についてですね。
何を今更という感じもしないわけでもないですが、こういったエッセイについては解説であったり批判であったりと、なにやら一定の意見を持たない人が気楽に読むには硬いのではないかなーなんて思いまして。
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まず異世界物。これは大きくわけて二つが人気ですよね。記憶を持って転生、またはトリップ。そしてVRMMOものでも二つ。デスゲームか、そうでないか。
この分類は著しく私の独断と偏見によって分けていますので、もっと多くのジャンルがあるよ!という方もいるかもしれません。
とりあえず、この2×2ジャンルについてのお話です。
私もこういったものも好きです。
他のジャンルももちろん読みますし、ネットで批判される理由も、そして批判する人の気持ちもわかるのですが、それでも中にはとても面白いものが多くあると思っています。
まずは批判される理由は、全てのものには当てはまりませんが、
「前世で努力できなかった人付き合いの下手な奴が、ちょっと子供に戻ったり力を得たぐらいで英雄真っ青の活躍ができるはずもないだろ」
というものと、
「作者の自己投影、願望が激しい」
という面が強いでしょうか。
私自身、異世界転生ファンタジーを書く身としては、主人公の内面をえがく時により深く共感してもらおうとすれば自己投影するのは仕方ないことだと割り切っています。自分が共感できない人間に読者に共感しろ、ということこそ横暴ではないか、そのように考えます。
これはライトノベルと呼ばれる小説の学園ラブコメやバトル物にも言えることかもしれませんが、読者や作者の願望を満たす、それもまた小説の在り方や魅力の一つだと思うのです。
やはり人間。嫌われるよりも好かれる方がいいし、負けるよりは勝つほうが気持ち良い。
正しいと認められたい、人格を受け入れてもらいたい、と思うのは自然なことです。
小説とはその中に作者の伝えたいこと、思いが込められていないといけない、そういう方もいるでしょう。
しかし伝えたいことを前面に押し出すのではなく、自分の書きたいものを書いていれば、「何か」は自然に伝わってくれる、と信じています。
もちろん何を読みとるかはその人次第ですし、何も考えずに読むのも楽しみ方の一つでしょう。
私は小説を書くようになって、多くの作品を「作者視点」で見る部分が出てきました。未だに読者として純粋に楽しむ心を持ち合わせているつもりですが、作者視点というのはなかなか今までになかったことでした。
少々話が逸れてしまいました。
これらのジャンルが需要がある理由でしたっけ。
自分の書くジャンルと現在の事実を否定しても仕方ないので、需要の理由と実際のお約束についてでもお話しましょうか。
そこはやはり感情移入、でしょうか。
これらのジャンルは、主人公が特別な能力がなくとも、特別な生まれでなくとも主人公になり得るジャンルです。どちらも現代日本で普通に暮らしていた、または過酷な環境に生きてきた人が主人公の場合が多いです。たまに英雄の血だとか、先代勇者の息子だったりがいますが。
どちらも自分の能力値をリセットし、場合によっては見た目さえもリセットができます。
中高生という社会的に未だ経験を積んでいない人も、既に信頼を失った人も、人との関係があまりない人も、多くの人が夢を見ることができます。
誰もが主人公になり得るジャンルの一つと言えるでしょう。特殊な技能や、血筋、境遇などに縛られず、ごく普通の人間を手っ取り早く英雄へとしたてあげることができる、かなりの年代の人まで「こんなことがあるかもしれない」と無意識に思わせるジャンルだということです。
次はそれらの魅力と欠点についてです。
自分でも異世界転生物を書いておいて、それを罵倒する内容を込めたエッセイを書くとかマジドM