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異世界転生、最初から

 異世界転生で、生まれた瞬間または赤ん坊の時期に自分が記憶持ち転生したことを把握するパターンの紹介です。



 個人的にはこれがなろうにおける転生の一番オーソドックスかのように思えます。

 と、いうのも、努力が報われることを前提にするならば、記憶を持った主人公が真面目に幼少期から努力し続けるだけで十分特別になれるからです。

 かくいう私が書いているのもこのパターンのファンタジー小説になるのでしょうか。


 これらは最も幼少期の長いジャンルとなるでしょう。

 神様から特別な才能や特殊な能力を与えられるか、魔法の才能、または通常の魔法は使えないけど、異なる魔法に準ずる才能があるなどというのがテンプレです。

 また、現代知識を活かして金を儲けたり、周りの人の尊敬を集めたりすることで自分の立場を確固たるものとします。

 だいたいの概要については、『異世界転生』の回にて話したので、具体的な作品をあげていきましょうか。


 まずはこちら。内政チート系の代表作とも言えるこの作品。

 二歳児にして自らの現状を把握した主人公は、前世の現代知識を活かして腐敗した父親貴族の領地を発展させることを目指します。

 次々と立ちはだかる難題をスタイリッシュに解決していく様は記憶持ち転生の醍醐味だと思います。

 貴族に転生からの現代知識で頭脳戦に勝つというお約束を体現している王道作品です。


 この物語の世界観の特徴として、文明レベルが低いことがあげられるでしょう。

 大抵の魔法のある異世界ともなると、魔法文明が発達していることが多いのですが、こちらは魔法を異端とする宗教が力を持っているせいで魔法技術は廃れています。かといって、通常の科学技術が進んでいるかというとそうでもありません。

 その設定のおかげで、主人公の知識によって発展した領地は謎の技術の宝庫のように扱われます。

 戦争の強さや、個人の武勇を活かした展開ではなく、ひたすらに知略のみを主軸に戦う主人公は非常に格好良いですね。人をできるだけ助けたい、皆が幸せになる結末を目指して頑張る、という比較的善良かつ合理的な主人公の性格もとても抵抗なく読める作品であると思います。



 次に紹介するのが、貴族の中でも不遇な立場に生まれた主人公が、魔法の才能を活かして武功を立て、名誉爵位を得て貴族として名をあげていく物語です。小さいころから現代知識と魔法、そして幽霊の師匠などで成り上がっていく様は転生物の王道ですね。

 強者に対する国のスタンスや、貴族のしがらみ、苦労をじっくりと描いたこの作品は同時にハーレム物でもあります。

 貴族ということで政略結婚が多く、冒険者の仲間だった女の子、懇意にしている魔法使い貴族の姪、宗教関係のお偉いさんの孫娘の聖女と恋愛絡みではないものの、女の子も主人公は好きだし、主人公も好きでもない女の子とは結婚しない、そんなハーレムとなっています。

 個人的には主人公が淡々と政略一択で結婚していくのは、結婚を女の子を合理的に主人公とイチャイチャさせる手段のような気がして苦手なのですが、人気のある理由もわかります。

 現代には草食男子が多い、という話を聞いたことがあります。それが事実なのかどうかは置いておいて、おそらくハーレム系の小説が好きな人の中には、自分から進んでハーレムを作る、というのが嫌な人が多いと思うのです。

 自分から口説いて作るほど自信はなく、そして現代日本人の感覚としては進んでハーレムを目指すということに罪悪感を覚えるタイプの人がこういったハーレム系小説を好むのではないでしょうか。

 女の子の方から主人公と結婚する理由があり、周りも認めていて、立場的に結婚せざるを得ない状況に主人公を追い込むことで「ハーレムなのは不誠実などではない。仕方のないことなのだ」とどこかで言い訳できるように。そして自分に圧倒的な魅力がなくとも、最低でさえなければ許されるというボーダーラインを下げることで主人公の人格、容姿を魅力溢れるものとして書かないですみます。


 すると自分に自信がない読者にとっても、そういったハーレムに感情移入できるのではないでしょうか。


 あくまで個人的には主人公には結末や展開を選ぶ意思が欲しいと思っているので、こういった流される形で主人公が最強の物語は引き込まれないところがあります。

 しかし、貴族社会の諸々を魔法を絡めて書いた読み応えのあるファンタジーです。興味のある方は。



 こちらはまたのんびりとしたお話。

 農民の息子として転生した主人公がその能力を活かして冒険者として冒険するお話。

 行く先々で巻き込まれる騒動に、じっくりと強くなっていく主人公がいい味を出していると思います。幼馴染などとの絡みや、故郷の友達や兄たちの活躍が交錯していますね。

 と、いってもこちらは冒頭からあらすじに至るまでお約束というか王道でありながら、それをお約束として取り上げるにはやや特徴不足というところになりましょうか。

 ヒントとしては主人公のチートはステータス閲覧の目です。





 転生といえばこの作品を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。

 前世で酷い人生を送った主人公が、記憶を持って異世界に転生、幼少期から訓練し、才能+努力によって規格外の能力を手に入れるという転生物の王道的な物語です。

 最初のインパクトが凄い、というのも、誰もが眉をひそめるような冒頭なのです。人間のクズを凝縮したようなその書き出しは強烈な印象を与えてくれます。悪、ではなくクズです。


 なんといってもこの作品の良いところは、ただ無双するのではなくて物語として着実に進むところです。

 伏線や前振りがしっかりと描かれており、主人公の選択によって変化する展開、世界は主人公を中心に回っているわけでもないのに、確かに物語の主人公は彼しかいないと思わせる描き方に次の話はどうなるのかと楽しみに待っている作品でしょうか。

 一人称視点としても非常に秀逸です。決して"上手な”文章ではないのですが、ネット小説としてあらゆる媒体で読めるようにとギリギリまで短く区切った一人称の文章はとても見やすいですね。

 個人的に一番好きなのは主人公のスタンスでしょうか。

 自分がそこにあればそのように選択するだろう、と思えるのが特徴だと思っております。

 ヒロインとの在り方も、ただ会っただけの、ではなく何話もかけて育み、別れやすれ違いを経験しながら三人と結婚までいく、というのが本当に凄いです。

 ヒロインがチョロインだとか、たくさんと結婚してればいいんだろうとか、なし崩し的に結婚する物語が多い中で、結婚する人数を絞りつつも腹違いのブラコン義妹、ややツンデレ気味の実妹まで登場させつつ、ハーレムの女性関係がしっかりしているのがとても楽しいです。

 男同士の友情や他のキャラの成長まで描いて、キャラクターを部品ではなく生きた人間としている豊かな物語ですね。


 この作品も人気である以上、叩かれないわけではありません。

 私自身は気にならないものの、ところどころに挟まれるパロディネタや下ネタが寒いという意見や、主人公の前世が酷すぎて、転生したぐらいでそんな素晴らしいリア充主人公になれるはずがないだとか、女性キャラの感情がわけがわからないとかそういったところでしょうか。


 魔法でかなり強いながらも最強でなく、等身大の主人公を成長させながら物語としてブレない転生物でもとても好きな作品です。家族愛や前世の後悔をうまく取り込んでいて、飽きないです。

 おそらく転生物が好きで多く読む人も、嫌いになるほど読んでいた人も読んだことがあるのではないでしょうか。

 今更紹介する必要もなければ、読んでくださいと言うこともないでしょう。

さて、どれがどの物語かわかりましたか?

おそらく最後はほとんどが知っているのではないでしょうか。名前も聞いたことがないというのはもう新着からスコップしかしない人ぐらいでは?

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