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美人すぎる国会議員と行く異世界旅  作者: Y.イヨネスコ
第一章 異世界転移

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迷宮の王


 ※第三者視点


 ヨシュアは階段を鼻歌まじりで降りていく。日課の巡回だ。

 何しろ邸宅ダンジョンはもはや我が家も同然、異常がないか見回らなければならなかった。

 とはいえ広大すぎて全てを回りきるのは不可能だしダンジョンの魔物が強すぎて立ち入れない階層もあった。

 玄関のグラントエントランスから遠ざかれば遠ざかるほど凶悪になっていく魔物たち。

 ヨシュアが起居しているマスタースウィートルームは安全地帯の一つらしく快適だったが一歩外に踏み出せば徘徊する魔物だらけだった。


 今日は地下のワインセラーで適当に赤ワイン

 を仕入れて持ち帰る予定だ。

 普通の人間だったころはビール党だったのに嗜好が変わってしまったようで濃い赤が好みになってしまった。

 いくら飲んでも翌日には補充されている至れり尽くせりの環境には満足しかない。


 ダンジョンは少しずつ拡張しており昨日などは小さいながらもガーデンができていて驚いた。庭といっても外界に通じているわけではなくダンジョンの一部であり街の景色は見えないが。


「ああここもか」


 ワインセラーの入り口は突き当たりにあったはずなのに今日はさらに奥まで廊下が延伸されていた。

 あとで探検しようと思いながらドアを開きかけたタイミングで剣戟の音が聞こえた。

 どうやら冒険者がすでに潜り込んでいたようだ。

 知り合いのよく取り引きをしている冒険者なら加勢してやろうかと奥へ進んだ。

 廊下は途中からゴツゴツとした壁と平らな床の洞窟へと変貌していた。この歩きやすい床を見るたび「ふっ」と笑ってしまう。なんて冒険者に優しい作りなのかと。

 もちろん奥へと誘い込むためなのだろうが、ダンジョンの安直な手口に失笑を禁じ得ない。


 争っている音が近づいてきた。手にはドロップ品の片手剣がある。宝剣のように装飾がされていてヨシュアのお気に入りだった。冒険者によるとレア級のレリックということだ。


 (かぐわ)しい血臭が漂ってきた。

 ゆっくり顔をのぞかせるとちょうど魔物と冒険者が相打ちで倒れるところだった。

 一足遅く冒険者たちは全滅してしまったようだ。知らない顔ばかりに少し安堵する。

 魔物はボーンズの群れだったようでそのほとんどはレリックを残して徐々に消滅していった。

 残された一体も下半身を失い這いずっている状態だ。

 ボーンズは骸骨が服や鎧を着込んでいる容姿だ。武器は持っていたりいなかったり。

 このボーンズはずいぶんと仕立てのいい服を着ていた。頭には髪の毛も残っている。

 とどめを刺してやろうと近づくと暗い眼窩と目が合った気がした。さらにエナジードレインのため手をかざすとカタカタと顎を鳴らす。


「やりにくいな。助けを求めているのか?」


 ヨシュアは気まぐれでエナジードレインではなくその逆を試してみた。

 エナジーギフトだ。


「お、出来たじゃん」


 ボーンズにズボンごと足が生えてきた。

 そのボーンズは立ち上がると服の埃を払いヨシュアにうやうやしく礼をした。

 襲ってくる気配はないのでレリックを拾い集めはじめるとそのボーンズが手伝ってくれた。


「なあ冒険者たちの遺品も頼めるか」


 するとボーンズは冒険者証や剣などを彼らの持っていた袋に入れてまとめる。


「もしかして眷属とかいうのになったのか?」


 ボーンズは一礼した。

 ヨシュアはボーンズを引き連れ再びワインセラーに向かった。

 ワインもボーンズが持ってくれた。

 喋れないが辛うじて意思の疎通はできる。話していることの理解はするしボーンズが口をカタカタすると気持ちようなものが流れ込んできた。


「重くないか」

カタカタ(問題無し)

「道はわかるの」

カタカタ(なんとなく)

「僕はヨシュア。君の名前は?」

カタカタ(ありません)

「ずっとついてくる気?」

カタカタ(はい)

「なら名前がないと不便だからそうだな……スペンサー、スペンサーにしよう」

カタカタ(ありがとうございます)


 家令を意味する名前をやると感謝の気持ちが伝わってきた。

 驚いたことにスペンサーは眷属だからかヨシュアの主寝室に入ることができた。

 さらにスペンサーという名前を与えた影響なのか甲斐甲斐しくヨシュアの世話を焼こうとする。


 それからヨシュアはスペンサーを連れて大邸宅を巡回するようになった。

 襲ってくる魔物との戦闘もこなしてくれる。

 スペンサーはレリックの中から武器を選ばせたら二本の短剣を手にした。

 普段は懐に忍ばせ戦う時は両手にそれぞれ持って攻撃と防御を切り替えるスタイルだ。


 この日スペンサーは魔物にとどめを刺さなかった。瀕死の魔物は植物系で蔦の絡まってできた人形のようだ。


カタカタ(どうぞ)


 スペンサーに促されエナジーギフトする。

 すると千切れていた蔦が再生し、スカートみたいな葉が茂り花がいくつも咲いた。体形から女性っぽく見える。綺麗な木ノ実が瞳の部分にあった。

 この娘はメイド風なのでメイデンという名前にした。



 こうして日々ダンジョンを巡っているうちに眷属の数は膨れ上がっていった。

 コウモリ系統の定番からボーンズ、ゴブリンのような人型、四つ足の獣型、イモムシやらゲジゲジ、クモといった昆虫系まで多種多様だ。

 それらを従えぞろぞろと行進する様はさながら迷宮の王だ。


 かなりの手勢とレリックが集まったたので試しにダンジョンの深部を探索するかと思い立ったヨシュア。

 襲いかかってくる魔物を蹴散らし時には眷属に引き入れ最上階を目指して上っていった。

そして高位冒険者パーティーと遭遇してしまう。












 

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