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美人すぎる国会議員と行く異世界旅  作者: Y.イヨネスコ
第一章 異世界転移

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発動篇


 びっくりしすぎて二人とも堀に転落してしまった。

 バシャバシャしていると助けに来たダイさんやチュウさんたちが引っ張り上げてくれた。

 シロミさんは自分の手を見つめていた。

 さっきのは何だったのだろう。

 俺の手を掴んだダイさんやチュウさんの心は読めなかった。


「ショウさんやシンさんの心は読めた?」


 俺はシロミさんに小声できいてみた。

 小さく首を横に振る。試しにシロミさんの手をとった。


(怪我はないか?)

(私は大丈夫。だけど威武岐さんはしばらく無理そう)

(へえ使用制限があったんだ)

(検証は後で、とにかく今はあれをなんとかしないと)


 ケンドー隊長以下先遣隊の面々と隊商の護衛役たちがギガースを攻撃をしているが歯牙にもかけていない。

 だが弱点が無いわけではなかろう。ギガースはイモールさんをしきりに払った。顔を攻められるのを嫌ったということだ。

 俺は89式小銃と06式小銃擲弾(ライフルグレネード)、鉄帽、弾倉などをアスポートしてシロミさんに渡した。


「イモールさんの様子を見てくる」


 そう言い残しアズマに介抱されているイモールさんのところに向かった。


「みんな離れて!」


 さっそくシロミさんが小銃弾を連射しはじめたがやはり効いている様子はない。


「イモールさんは?」


 心配そうなアズマと護衛役の部下たちに囲まれイモールさんは横たわっていた。頭から血を流し完全に気を失っているようだ。


「村に運べ。癒やしの布がある。ハミコ様が見張り台にいるから頼んで治してもらうんだ」


 爆発音がした。擲弾を使ったようだ。

 イモールさんは部下たちに後送されていったのでアズマに向きなおる。


「ギガースの顔まで飛べるか」

「まるで届かない。せいぜい腹のあたりまでだ。それにイモールのようには飛び回れない」

「ならこれを顔まで飛ばすことは?」


 俺は手榴弾を取り出した。


「飛び上がってそこから投げつけたらなんとか」

「それで充分だ」


 俺は手榴弾の使い方を教えた。

 アズマはギガースの背後に回り込んで飛び上がった。頂点付近で手榴弾を投げつけると風でコントロールされ耳の近くで爆発した。

 お寺の鐘のような音が長く鳴り響く。

 こいつもしかして大仏さんのように空洞なのか。

 ギガースが無表情に振り返り着地したアズマを踏み潰そうとした。

 大きいからノロマに見えるがけっこうな勢いで動いているぞ。土煙から旋風を巻き起こしてアズマが飛び出してくる。

 効果は限定的で嫌がらせどまりだ。このままではジリ貧もいいところだった。

 そこへシロミさんが走ってきた。


「だめだ、弾が尽きた」


 荒い息でそう告げてきた。

 とりあえず水のペットボトルを渡す。

 アスポートで蓄えてあった弾薬を取り出すが破壊力のある擲弾や手榴弾はもうなかった。


「ダメージは与えられた?」

「たぶん。左足を少し引きずるようになった」

「タロスみたいに踵が弱点とかならよかったんだが」

「何それ」

「ギリシャ神話。踵の栓を抜くと命の素みたいなのが抜けて死ぬというか壊れる」

「RPGみたいね」


 RPGがロールプレイングゲームと理解するのに一瞬間があいてしまった。RPGで最初に連想したのがロケットランチャーだからだ。

 こんなことになるとわかっていれば富士の総合火力演習でも見学しに行ったのだが。

 そこで実物を拝んでおけば……実物を……あっ!


「シロミさん」


 駆け出そうとしたシロミさんを引き止めた。


「RPG見たことある? ゲームじゃなくて、そのロケットランチャーとか対戦車砲とか」

「あるよ。防衛大臣政務官だったもん」

「見せて」


 俺は手の平をシロミさんに向けた。

 意図を察したシロミさんが拳を打ちつける。そこは手の平でしょうが。


 来たーっ!

 呼べる、呼べるぞ!

 ぐっと意識を集中する。

 光の粒子を放って先端の尖った対戦車兵器が出現した。

みんな大好きパンツァーファウストだ。




 

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