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美人すぎる国会議員と行く異世界旅  作者: Y.イヨネスコ
第一章 異世界転移

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お風呂回


「ラッパのようでラッパでない♪」

「ベンベン!」

「すき間風のようですき間風でない♪」

「ベンベン!」

「それは何かとたずねたら、オナラ、オナラ、オナラ♪」

「ギャーハハハ!」

「ヒャハハハ!」

 

 ケンちゃんやクロト君たち子供たちが笑い転げる。

 子供にウンコやオシッコといったお下劣ネタは鉄板だよな。

 俺は今子供たちと大浴場で絶賛入浴中だ。

 この遺跡には大浴場跡があり俺はそれを修復したのだ。

 日本人といえばお風呂だよね。

 

 というのは建前だ。

 俺はガキの頃から番台に座るのが夢だった。

 そこで万難を排し、数多の困難を乗り越えようやく大浴場を復元したのだ!

 浴場の壁にはコイビト山を描き準備は万端であった。

 当初は江戸時代のように混浴する予定だったがシロミさんに阻止された。

 いつもそうだ、政府とかお役人は庶民の楽しみを目の敵する。

 俺は今でも明治政府が混浴を禁止にしたことを根に持っている。

 あんな愚行が許されていいのか!

 くだらない西洋の外面(そとづら)だけの道徳観に惑わされよって。


 俺は夢想する。

 もし明治政府の政治家たちが正しい見識の持ち主で現代まで混浴が続いていたらと。

 地上の楽園は日本にありと、クールジャパンどころではないホットジャパン、パラダイスジャパンと大喝采を受けていたに違いない。


 今ごろになってようやく自分たちの愚かさに気づいた南蛮人どもは女性のトップレスを認めはじめた。「すべての胸に平等を」だ。

 おっと熱くなりすぎた。

 番台の話だ。

 悲しいことに番台は受け付けに取って代わられた。そう男湯と女湯の脱衣所の境という由緒正しき場所にないのだ。

 おのれ小田野銀鏡め。これだから政治家はろくなもんじゃない。

 

「もっと、もっと歌ってー」

「おう、まかせろ!」

 

 子供たちがおねだりしてくる。

 よしよし日本の古典芸能をこの異世界に広め根付かせてやる。

 

「チャンチャンチャー、チャンチャンチャー、チャララララッチャッチャー♪

 むーねも膨らみ毛も生えたー♪」

「こらーっ! 物部守! このエロじじい、やめなさい!」

 

 女湯からシロミさんが凄い剣幕で怒鳴る。エコーが効いて耳が痛いぞ。

 シロミさんも入浴中か。視聴率では圧倒的敗北だなこりゃ。

 視聴者数がエクストラに影響を与えるという話なので彼女の能力は爆上がり中だろう。


 小田野銀鏡のエクストラは敵意感知、シャドー・ウィスパーあるいはその上位版ホスト・センサーらしい。

 ホスト・センサーはひそかな敵意や殺気のみならず歓心、好意まで感じ取れるそうだ。

 あの日シロミさんは妙にうなじがチリチリすることがあると言った。

 鬼族にシロミさんを歓迎していない者がいるということだ。

 このエクストラについての情報があって良かったよ。うかつに聞きまわってシロミさんが用心されたり警戒され、避けられる結果になってもつまらんからな。


「ではデカンショ節いきまーす!」


 これもエロいのからコミカルなのまでアレンジした楽しい歌詞が多いのだ。

 今は飲みニケーションが不評なうえにカラオケ全盛なのでこういった猥歌とかお座敷芸みたいなのは廃れてしまったのだろうか。


「奈良の大仏、屁で飛ばせー♪」

「奈良の大仏って何ー?」


 そりゃわからんか。詳しく説明するのも野暮だ。


「すごく大きなフィギュア」


 容れ物の方が世界一になってるんだけどね。

 まあいい今は風呂を楽しもう。

 しかし薪で沸かした風呂というのも久しぶりだなぁ。実家も小学生のころ帰宅したらガス風呂になっていたし。

 こっちの異世界にはシャンプーやボディソープなんてものはないので糠袋的なもので子供たちと輪になって背中をこすりあった。

 シロミさんの備品にもあったしアポーツもできるけど余計なお世話というもんだ。

気が向いたらシャボン玉とか泡で遊ぼう。

 楽しいなあ。

 

「あれマモルさん泣いてるの?」

「汗だよ、汗。暑いから塩っぱい汗が目にしみたの」

 

 嘘じゃないよ。心の老廃物が目から出てきたんだ。

 やれやれ歳を取るとめっきり涙もろくなっていけない。

 

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