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美人すぎる国会議員と行く異世界旅  作者: Y.イヨネスコ
第一章 異世界転移

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スワッピングとNTR


 オロカモン遺跡では宴会が開かれていた。

 第2陣の到着と鬼神オオツノ、ブギーマンの討伐を祝ってのことだ。

 戦利品にオオツノが残した角とブギーマンの布切れが祀られている。

 角は錬丹術の貴重な素材になるという。

 鬼神オオツノ本体は威武岐のように消滅していた。

 ブギーマンの布切れはちょうどいいサイズだったので帰途、三角巾替わりにして左腕を吊っていたら肩の怪我が完治していた。

 治癒の効果がある有用なレリックのようだ。

 あとで要検証だな。

 

 豪勢ではないがたくさんの料理が並んでいた。

 その大半は魚料理で俺が調理した。

 アグネス怒りの電撃の巻き添えをくらって大量の魚が浮かび上がった。

 思わぬ収穫に鬼族はホクホクで持ち帰ったというわけだ。

 焼魚から蒸し焼き、香草焼き、煮付けにあんかけ、そして刺身に炙り、ソテーとバラエティを持たせた。

 まだまだ香辛料や食材の種類が足りない。

 早くこの開拓地を豊かにしたいものだ。

 

 シロミさんはエキゾチックな顔立ちとコミュニケーション能力で早くも人気者だ。

 大柄な体格の鬼族に囲まれ華奢で可愛いと言われてご満悦の様子。

 

「マモルさん」

 

 声をかけてきたのはクロト君だ。

 

「命を救っていただきありがとうございました」

「とんでもない。クロト君こそ俺のとばっちりをくったみたいですまなかった」

「それに僕の父がマモルさんを殺そうなどと、とんでもないご迷惑をおかけしました。重ねてお詫び申し上げます」


 よくできたお子さんだよ。

 ご褒美に残っていた草餅をあげた。


「物部さん」


 シロミさんがいつの間にか傍らにいた。


「守でいいよ。物部は言いにくいとよく友達に言われた」

「ではマモルさん、ギクシャクするのは嫌なので例の話、正直に言いますね」

「ああ何億人とかいうあれな」

「日本と朝鮮半島付近を含む二億人です」

「だろうね。背中の紋々(もんもん)がそう言ってる」


 ふと思いついて俺は服の背中をまくり上げてシロミさんに見せた。

 

「どう? 変わりない?」

「ああっ、増えてます。凄い!」

「写真、写真撮って」


 何事かと鬼族の注目を集めてしまう。

 写真の模様はこれまでと違って切り抜いた地図を日本の下に貼りつけたような適当さだった。方角はともかく縮尺は適当なようだ。


「どこだこれ?」

「アラビア半島みたいです」

「四国を指さしてみて」

「こうですか?」

「ちょい左」

「はい」

「ちょい上、そこ! 掻いて。」

「はあ?」

「痒いから掻いて」

「うんもう!」


 歳を取ると乾燥肌で痒くなるし身体はどんどん固くなって手が届かなくなるんだよ。

 ああ極楽。

 鬼族も微笑ましい光景にみんな笑顔だ。

 シロミさんはしかめっ面だけどね。




「ライブ中継ですが録画は世界中に配信されています。だから政治的に話せないこともあります」


 場所を私室に移して込みいった話をすることになり、開口一番シロミさんはそう断りをいれた。


「了解した」

「それでは」


 久々に見るタブレットを駆使してシロミさんのレクチャーが始まった。


 正体不明の配信者ディーモンのこと、転移者たちのこと、(エン)のこと、わかっている異世界情報から現在の地球の世界情勢、生存者と転移者狩りのことなど内容は多岐にわたった。

 だがこれからの方針についてはシロミさんが俺を護衛するということのみにとどまった。

 察するに日本政府は自国優先で他の転移者の救助や、失われた未来の復縁には消極的ということだろう。

 言わぬが花だ。

 実際のところそんな余裕は今はまだ(・・・・)なかった。


「どうして魔物を倒すと縁が復活するんだろう」

「それについては量子力学の『もつれスワッピング』ではないかと考えられています」

「何ですかそれ」

量子もつれ(エンタングルメント)は二つに限らず三つ以上でも可能で地球人類と転移者と魔物がエンタングルメント状態と考えられます。

 話を簡単にするため二つで説明すると結びついたAとB、CとDの組があってBとDが結びつくとAとCそれぞれのもつれが解除され消えてしまうとのことです……あれ違ったかな」


 どうもシロミさんもよくわかってないようだ。


「それだとスワッピングというよりNTRだ」

「NTR?」

「寝取り、寝取られ」


 シロミさんの目が冷たくなった。すみません。


「ともかく転移者狩りの動機もそのあたりにあると想像できます。つまり縁を断って奪う。その行為にどのような利益があるのかはわかりませんが」

「わかった。わからないということもわかった。唐突だがシロミさんの背中を確認させてくれ、ください」


「触らないでね」


 シロミさんの染み一つない白い背中があらわになった。


「真っ白だ」

「そう」

「では次の確認」

「まだあるの?」

「前の方も」


 シロミさんの手が上がった。


「じょ、冗談だよ」

「今のセクハラですから。元世界の視聴者全員が証人です」


 見えないカメラに同意を求めるシロミ。

 期待した視聴者も半分いると思うぞ。


「本当に確認したいのはエクストラ能力。何か変化とか身についた気がする?」

「それなんですけど実は……」


 

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