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美人すぎる国会議員と行く異世界旅  作者: Y.イヨネスコ
第一章 異世界転移

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アスポート


「マモルさーん!」

 

 アグネスの声がした?

 声に振り向くとさらわれたはずのアグネスとチュウさん、ショウさんが追いかけて来るのが見えた。

 

「ちっ!」

 

 舌打ちする音が聞こえた。アグネスが無事とわかれば話は別だ。手近な石を投げつけてやった。

 残念ながら避けたのか通り抜けたのか、かすりもしなかった。

 気配が遠ざかっていくがやっぱりまるで見えない。


「無事だったか、よかったー!」

「間に合って本当によかったです」


 チュウさんとショウさんが荒い息で安堵していた。


「油断しないでください。さっきまでここに居たので近くに潜んでいるかもしれません」


 武器を受け取りながら注意した。


「何があったの?」

「急に目の前が真っ暗になって気がついたら二人に介抱されていたんだ。次は丸焦げにしてやる!」


 アグネスの手がバチバチ放電していた。

 頼むからただの貧血でやらかすなよ。


「用心しながら戻りましょう」


 拠点の鬼族にも警戒させないといけなかった。


「姿を見えなくするエクストラってあるんですか?」

「透明化なんて聞いたことがないな」

「隠密という物音を立てない盗賊向きのエクストラはありますけど」

「それじゃ逆に気配を察知するエクストラとかってありますか」

「たしか視線を感じるエクストラはあったよな」

「ええ、でも開拓地にいる仲間には居ませんよ。第2陣の開拓団で来る予定ですけど」

「それって背後からの視線でも確実にわかるってこと?」

「はい」


 いわゆる『視線を感じた』は無意識でも一瞬の視線交差で自分を見ていたとわかる人間なら誰でも持っている知覚 で超能力的なものではない。

 本当に『視線を感じる』ことができるなら興信所や警察、スパイなどの尾行や監視は成り立たない。

 美女を何百人もストーキングしてきた俺が証言するんだから間違いないのだ。

 しかしエクストラの視線感知、ゲイズ・リンクは違うようだ。


「身体のどこを見ているかもわかるそうだぞ」

「うへ、気をつけないとだな」

「そいつ男なんで気にしなくていいですよ」


 足を引っ張ったのがよほどショックだったのか男三人の会話にアグネスは加わることなく警戒に集中していた。




 ようやくオロカモン遺跡に帰り着きケンドー隊長に状況を報告して注意を促した。

 とはいえ襲撃者の本当の狙いは俺なので対策を立てねばならない。

 あの時はバカ正直に武器を手放したが今度からは隠し持っておくことにしよう。


 ようやくアポーツが使用可能になったので稲荷寿司を手にしミズク様にお参りすることにした。

 ステルス能力、襲撃者の心当たり、異世界転移、アポーツなどのエクストラやヌシについて置き去りにしてきたあれこれの疑問をぶつけたい。

 前回は長い話を聞かされただけなのでそのお返しだ。


 ところがピラミッドにはもうミズク様はいなかった。

 代わりにコヨリというキツネ少女が稲荷神となっていて『それでいいのか、人間』という伝言を残して消えてしまった。


 俺は寿司返せと怒鳴りたいのをこらえて外へ出た。

 オロカモン遺跡に張られた結界は無効になっていないようだ。ヌシになって得られた権能なのか見えざる力に対する検知能力がついたみたいで、皆には言わなかったが謎の襲撃者との2回目の接触時にはなんとなく存在がわかるようになっていた。

 他にどのような権能が身についたのか知りたかったのに残念。

 元の世界ではいまだに玉藻の前の名は知れ渡っておりその美しさに多くのファンもついていると、ミズク様が喜ぶのをいいことに大げさに報告したのが失敗だった。


 アポーツとは別に元の世界から女性を一人呼び寄せる権利についても有効なようで、体感としていつでも呼び出せる気がする。

 ミズク様が力とか助っ人というからにはそれなりのエクストラを身につけてくるのかもしれない。


 ケンちゃんが子供たちと境内にやってきて遊び始めた

 とてもいい光景だ。

 俺も子供時代は神社やお寺が遊び場だった。

 そういえば拳銃弾のお礼がちゃんとしてなかったな。感謝の言葉を伝えなきゃ。


 俺は子供たちのところに向かった。

 ケンちゃんは例によって飴玉をアポーツして配り始めた。


「へえ一度に8個もアポーツできるようになったんだ。凄いなケンちゃんは」

「あ、マモルさん。違うよこれはアスポートで取っておいたのを呼び出しただけだよ」

「アスポート?」

「そうアポーツで手に入れた物を一時的に預けておく感じ」


 そう言って飴玉を消したり出したりした。


「師匠と呼ばせてください!」


 俺はケンちゃんにひれ伏した。

 アスポートについて詳しく尋ねてみるとわかったことは自分がアポーツしたものに限られること、預けた物はインターバル関係なしにいつでも呼び出せることだった。

 上級者になると自分がアポーツした物以外も可能になるらしい。

 限定されるとはいえ非常に便利な能力だった。あの背中に背負っていた荷物は何だったのだ。どうして誰も教えてくれなかった。

 今の俺にもっとも必要な能力じゃないか!

 これで武器の隠し所に悩まなくてすんだ。


「アスポートできないのかと思っていた」


 ダイを問い詰めたらそう返ってきた。


「エクストラは生えない奴がほとんどで、生えても育たないこともよくある。だから気を遣っていたんだよ」


 そりゃどうも心配させてすまなかった。ケンちゃんは優秀でアスポートもすぐできるようになりアポーツも飴玉を2個ずつ出せるようになったそうだ。チョコちゃんもエクストラが生えるのではと親バカを発揮しはじめる。

 確かに両親ともに貴重なエクストラ持ちだから可能性はおおいにあるのか。


 城門付近が騒がしくなった。

 移民の第2陣が到着したようだ。

 受け入れ準備は終わったばかりでスケジュール的にはギリギリだった。第1陣の到着が遅れたせいだ。


「ツノなしはいるか!」


 鬼の形相で第2陣のリーダー黒鬼がやって来た。


「お前か!」


 俺は胸ぐらを掴まれ宙に浮いた。


「お前のせいで俺の子供がさらわれた!」






 

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