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第29話



 あんま食べたことないからわかんないけど。


 ソース??


 なんか入ってたっけ…


 …ああ、タルタルソースか。



 「んで、どこまで話したっけ?」


 「せやから、なんでユニフォームなんか…」



 マックを出て、海辺のベンチに座った。


 色々聞きたいことがあった。


 ユニフォームもそうだし、マネージャーの話なんかも。


 第一、彼は高校に行ってない。


 そのことを聞くと、おもむろに首をかしげた。



 「…バイクって、未成年なのに乗るわけないやん」



 フィレオフィッシュを頬張りながら、まるで絵空事のように聞き流す。


 冗談なんて言ってない。


 必死に伝えようとはした。


 どう伝えればいいのか分からなかったけれど、でも…



 「俺は俺やし」



 彼に尋ねたんだ。


 本当に「亮平」なのか、って。


 そう言う以外になかった。


 そう聞くしかなかった。


 だって、他にないでしょ?


 彼なはずがないんだ。


 そのことが、ずっと頭から離れなかった。

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