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第27話



 「キャッチボールするんやろ?」



 …キャッチボール?



 …誰と、誰が…?



 彼が誰であるかも、なんでユニフォームを着ているのかもわからなかった。


 亮平は亮平でも、自分の知っている「彼」には思えなかった。


 野球はもう辞めてるはず。


 耳にはピアスをして、髪は茶髪で…




 なんでそんな髪型なの?



 …なんで、そんな格好なの?



 自転車になんか乗って、おまけに、グローブなんかカゴに乗せて。



 「…よくわからんのやけど」




 夢じゃないなら何…?



 もしかして、幽霊…?




 足はちゃんとあるし、…影も。



 …じゃあ、何…?




 どうしても信じられなかった。


 彼がここにいること。


 目の前にいること。



 そして、何より…




 「…手術は?」


 「手術…??」


 「あんたが亮平なわけない。あんたは今病院にいて…」


 「病院?…何言っとんやお前」


 「…なんでユニフォームなんか着てんの?」


 「練習があったからに決まっとるやろ」


 「…練習?」


 「大丈夫か…?なんかおかしいで?」




 …おかしい?



 …私が?




 何も考えられないまま、ただ時間が過ぎた。


 呆然と立ち尽くすそばで、「後ろに乗れ」って、彼が。


 私は言われるがままだった。


 気がついたら自転車に乗っていた。


 地元の商店街を抜けて、海辺へ。


 彼のバイクに乗っていた、あの頃のように。


 

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