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第22話



 ずっと、夢を見ていた。


 彼とキャッチボールしている夢。


 彼と私は、小学生まで野球をしてた。


 地元のクラブチームに入って、お互い、同じポジションで。



 中学になって彼は野球を辞めたけど、それまでは日がな一日野球三昧だった。


 家庭の事情で両親がいなくなってから、彼は学校にもまともに来なくなった。


 でも、グローブだけはいつも、彼の部屋の中にあった。


 カピカピに乾いて、使いものにならなくなっちゃけどさ?



 子供の頃は、お互い同じ夢を見ていた。


 「甲子園に行く」


 なんて、大口を叩いて。


 でも、ここだけの話、悪くないかもって思えたんだ。


 野球を続ける気はなかったけど、あの頃は、男も女も関係なかったし。


 キーちゃんが地元に帰ってくるって話になって、高校では野球をまた始めることになった。


 中学じゃバスケをやってた。


 通ってた中学には、女子野球部がなかったから。



 『甲子園』

 


 3塁アルプス席券の下には、「出場校専用」の文字が入っていた。


 大会第3日目。


 どの高校のチケットかはわからなかったけど、それが甲子園行きのチケットであることは間違いなかった。


 全国高等学校野球選手権大会。


 その文字が、チケットの上部に書かれていた。



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