呪いの恐ろしさ
「やめてください!僕は貴方と戦いたくないんです!!」
「私だって戦いたくなかったっす!!」
そう言いながらライラさんは杖を振りながら魔法の詠唱を始める
「ならなんで!?」
「あんたが教団の手先だからでしょ!!」
「教団?」
杖から出た三つの魔法が飛んでくる
それぞれ違う色の魔法だ
当たったらただではすまないだろう
とりあえず回避行動をとる
「シラを切るな裏切り者が!!」
「シラなんて切ってません!教団なんて知りません この技も師匠から教わった技で」
「教団の秘技を教団以外の誰かに教えるなんてありえない!」
今度は五つの光の玉が僕を包囲する
僕は剣で光の玉をなんとか弾きガードするが玉は次から次へと作り出される
「くっ!これ以上防ぎきれない」
「これで終わりだ教団の手先め!! クロマ・イリース!!」
そう力強く詠唱したライラさんから白い大きな玉が生成される
これはさっきの比ではないと魔法をしらない僕でも分かる。
僕は回避行動をとろうとするが足が動かない
ダメージの喰らいすぎか?
いや大半は回避したダメージはそこまでないはず
僕は足を見ると白いなにかが足に纏わりついていた
これはさっきの魔法の玉の効果!?
まさか避けられるために放ったのか!?
ライラさんの方が一枚上手か……
すみません母さん……
僕は目を閉じる
「まったく協会はいつまでたっても頭が固い
酢にでも漬け込もうかしら本部事……」
目を開けると僕の前で魔法を防ぐクリームヒルトの姿があった
その腕からは血が出ている
僕のために...…
やはり僕は弱い
「あんたも邪魔するんすか?あんたの口ぶりから教団が何したか知ってるんでしょ?なら」
「えぇそうね教団がしたこともちろん知ってる
でもそんなの関係ない 私はジークを愛してる愛してるものを守るのに理由がいる?」
「そんな理由だけで最悪の悪党の手助けをするってあんたやっぱ狂ってるっす!
あった時からこうしとけばよかったネロ!!」
そういうとライラの後ろからネロさんが現れクリームヒルトに斬りかかる。
魔法を防いでいるクリームヒルトには防御は不可能!
僕のせいでクリームヒルトが!!
その時どこからか現れた剣から黒い光が放たれ魔法は消滅する。
クリームヒルトは空いた手で剣を弾く。
手で!?
「まさかライラの特大呪文を剣が食べるとはな
随分な悪食だ」
「そうかしら?なんでも食べて偉いと思うけど次は貴方を食べてあげる」
「まったくめんどくせぇのだけ押し付けるなよ……まぁしょうがないか このフィールドで魔剣とやりあえるのは私だけだからな……あんたの事案外嫌いじゃなかったけどこれも仕事なんでな」
「気にすることないわ 私はあなた大嫌いだもの」
「そりゃあよかったぜ!!」
そういって二人のバトルがはじまる。
凄まじい剣劇が起こっている。
僕には何が何やらわからなかった。
これが強者の戦いなのか?
「協会の剣技やっぱりあいつの性格悪いわね!」
「そりゃあどうも あんたは流派なんてなく力だよりかよ!!そこも気に入らねぇ!」
「強者には流派なんかいらないのよ 知っときなさい若僧」
「そっちの方が若い見た目してるだろうに!」
「そろそろ諦めて死ぬ気になったっすか?」
「僕は貴方の為にも死ねない!」
「わけわからないこと!?」
僕がライラさんの攻撃から避けながら話していると洞窟の奥から矢がとんでくる。
僕は小刀でなんとか軌道を剃らすことができ回避はできた。
だが魔法に集中していたネロさんは膝に矢が刺さってしまった。
あの位置はまずい!
「ちっ、スケルトン風情が 」
「ライラさん!?」
「私に構うなっす 教団に助けられるくらいなら死んだほうがましだ」
「死んだ方くがましって!」
「僕は誰も死なせない 誰も失いたくない」
「無駄っす!スケルトンを滅するには聖剣か魔剣が必要って知ってるでしょ!?それに私は敵っすよ!」
そんなこと知ったものか
倒せなくてもやりようはある
師匠から聞いただけで一か八かだけどやってみるしかない。
「僕は教団をしらないけど無意識にその教団にくみしているのかもしれない でもあなたの優しさと僕の信念は変わらない 父のように皆を助けられる存在になる だからあなたを見捨てなくない」
「二の型 無明 一舞」
相手の足を斬り呪いで足を封じ、連撃を叩き込む技
簡単そうにみえるがそうでもない。
呪いは自分にも返るから強い呪いは使えない
それに一段でも失敗すると行き場のない呪いが全て自分に帰ってくる。
師匠曰く実践向きではない技。
「相手の動きを止め連続で攻撃を叩き込む 無明を一段で止めて相手を封じるか 切るところを間違えば自分も呪いが行くのにその応用まで……さすがジークもっと惚れる」
「甘ちゃんっすね 甘すぎてコーヒーがミルクになっちゃうぐらい そんな甘ちゃんが教団の一員のわけないか……まぁ信じ 少年後ろ!!」
僕はネロさんの大声で振り向く、
そこにはさっき封じた大きなスケルトンが!!
防御?回避?
間に合わない!
それに後ろには動けないライラさんが!!
受けるしかない。
「折角ジークがカッコつけたのに空気が読めない木偶の坊ね もうその顔?にも見飽きたし消えなさい ●●」
冷たい目をしたクリームヒルトが何かを呟くと辺りは黒い炎で包まれた。
その炎はどこか冷たく怖い。
この炎どこかで……
「スケルトンが燃えて消えていく!?こんな技しらねぇぞ!!」
「しかも一体じゃないっすね 奥の方からも炎の尾とが聞こえるっす……」
「一体クリームヒルト君は?」
「ジークが私に興味を示してくれてる!?何が聞きたいの!?スリーサイズ!?上から」
「違うって!!」
さっきの変な魔法といいこの変なテンションといい
何なんだこいつ!
本当に分からない!