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初戦闘はトラブルばかり

はっきり言って自分は強くない

クリームヒルトのように特異な魔法も使えないし

ネロさんのようなパワーもない

そんな僕が本当に英雄になれるんだろうか?

……弱気でどうする!

僕は父のような勇敢な戦士になる

そう決めたんだ

その為には実戦をつまなければ


「戦いたい?止めといたほうがいいっすよ ここの洞窟は屍連中のせいで色々おかしくなってるっす 私達プロとクリームヒルトにまかせるっす」

「それじゃあ駄目なんです!僕はもっと強くなりたい 僕の力を知りたいんです」

「そういうのを子供のわがままって言うんっすよ」


呆れた様子でライラさんはそう言う

呆れるのも無理もないここの危険性をぼくはさっき見たのだから

ここは元の初心者向けのダンジョンではない

地獄だ 

そんなことわかっているがここで逃げたら父のような人にはなれない……

僕は震える足を無理矢理抑え込み懇願をつづける


「まぁ待ちなよライラ 私達だってこんな風に戦いたいって言ったことあったろ?」

「それとこれは別っす!彼は私達とは……とにかく子供には無理っす!」


自分達とは違うとライラはいいかけたのだろう。

確かにその通りだ

彼らは教会のエリートで小さい頃から訓練をしてきた

だが自分はただの子供だ

まさに天と地の差だ

でもぼくは逃げたくない


「……いいんじゃない? 危なくなりそうだったら私が助ける」

「へ?」


さっきまで寝ていたクリームヒルトがそう言って起き上がる

彼女がいちばん反対しそうだったが真逆の答えで驚いた。


「そりゃあいいな! 私が助けるから寝てろゴスロリ」

「こんな好感度稼ぎポイントで寝てられない お前こそ寝てろフランケン」

「誰がフランケンだ!!」


「こんな豪華な救援があるならいいか……」


ライラさんは根負けしたのか認めてくれた

ありがとうライラさん

そしてクリームヒルトとネロさん


 「彼どんな戦い方するんすかね?」


私は少し少年から距離をとって後ろからついていく


「さぁな あの女の仲間だから剣とか?パーティー相性でいうなら弓と魔法だが、彼がガンガン前に行くのをみると違うようね お前は知ってるんだろ?ゴスロリ」

「さぁ?」

「さあって 二人だけの秘密とかで勝ち誇って教えないんならお前の首切るぞ」




「本当に知らない 出会って2日だし」

「2日であんな入れ込んでるのかよ……変人だな」

(一目惚れで恋敵の命を奪おうとしたあんたも言えたもんじゃないっすけどね)


「また俺を侮辱すること考えてやがんな? それより始まりそうだぞ」


そう言うとネロは指を指す 

そこには一匹のゴブリンがいた


ゴブリン 

知能はそこまで高くなく防御も柔らかいという特徴をもつ初心者向けモンスター

初陣ならぴったりだろう

通常なら


「ケッ…ケ……」


ゴブリンは手負いの状態だ

おそらくスケルトン達と交戦してなんとか生き残った個体だろう

普通手負いのモンスターなど楽勝と思うだろうがそうではない

手負いという事はもう後がないからどんな行動をしてくるかわからないし感覚もより尖っている

一番厄介な状態だ

それにこの環境でどれだけ変化し強くなっているかもわからない

最弱のモンスターと油断していたらやられてしまうだろう


「手負いか……攻撃しないのなら逃がしてやる」


は?


「何を甘いこと言ってるんすか!?」

「でもこいつ子持ちで!!」


子持ち?

あぁそう言うことか

ゴブリンには確か子供を産んだ証としてお腹に印を残す習慣がある 

確かにお腹にマークがあった

だがそれなら尚更


「ケケッ!」


ゴブリンはジーク君に襲い掛かる。


「なんで! 家族がいるだろうに!!」

「尚更っすよ!メスが狩りに出ているということはオスはいないということ だからメスは子供を守るために必死に戦うんす!」

「そんな……」


ジークは必死にゴブリンの攻撃をよけ続ける

彼は攻撃をしない

何を考えているのか?

多分哀れみだ。

家族を失って必死に今度は失わせないと言う気迫を感じるゴブリンに気遣っている

だけどそれは……


「そんな奴とは戦えないってことか?少年!それなら戦士をやめろ

お前には資格がない 奴は命をかけて挑んでいるのにおまえはなんだ?敵を心配する?

それは奴にとって最大の侮辱であり誇りを汚す行為だ そんな事を続けるならとっとと死ね!」


私が声を上げようと思ったときネロがさきに声を上げた

その通りそれは侮辱だ


「……すまない 君達を侮辱した 僕もこれからは全身全霊を持って答えよう 一の奥義 時雨」



そう言うと彼は何処からか2本の短剣を取り出すと黒い風が視界を邪魔する……この技は奴等の……

風がやんだ瞬間ゴブリンの死体が散乱していた


「斬り捨て御免 やりました 本当にすみませんでした」


彼はゴブリンに手を合わせ戻ってきて我々に詫びる。

そんなものはどうでもいい


「!? 急に何をするんです!?」

「分かってるでしょ!?あんた達のしてきた罪は命で償わせるしかないって!」

「罪?わ、訳が分かりませんよ!!」


「ゴスロリ お前も知ってたのか?」

「……答えなんていらないでしょ?協会には」

「それもそうだ 」

「そっちは任せましたよ 場合によっては解除も許可します」

「わーてるよ!!てか魔剣使いに解除しねぇと勝てねぇよ」


「何でなんですか!?さっきまであんなに仲良くしてたのに!!」

「あんたらがそれをいうんすか 裏切り者の教団が!」










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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリーが面白いです! それに強いお姉さん達に守られながらも、それを自分の力と勘違いせず、しっかりと自分の力で頑張ろうとする所、イイですね! 一気に最新話まで読んじゃいました! これから…
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