なぜスケルトンは復活するのかそれを求めて少年は洞窟の奥地へと向かった
僕は泣きつかれて眠ってしまったクリームヒルトの頭を膝枕しながらあることに思い出した。
さっきからライラさんが逃げようとしていたのにこんなにゆっくりしてていいのかと
僕はお茶をすすっているライラさんをみてゆっくりしすぎだろと思った
さっきまでの様子とはまるで違う
「そういえばここから逃げるって言ってませんでした?」
「その通りっす 本当は逃げるつもりだったんすけどそこの魔剣使いさんの登場で変わったんすよねー」
「どう言うことですか?聖剣とお姉さんの力があれば楽勝そうでしたが」
「そんなに褒められると照れちゃう……」
「そんな恥ずかしそうな動作する歳でもないでしょネロ」
「誰が年増だ!!というか私が名乗る前に少年に名前教えるな!かっこいいシチュエーションでと思ってたのに」
「そこまでは言ってないっす!それにもう駄目ポイントがカンストしてて格好いいと思われるシーンなんてないっすよ!」
「どこが駄目だと言うんだ!!」
「膝枕されてにやけて鼻血出してるところっすかねー」
そう今僕は片膝ずつを使って膝枕している
ネロさんというお姉さんが駄々をこねてライラさんがため息を吐きながらこうなったらやってもらえるまでこうだからとお願いしてきた。
命を助けて貰ったライラさんのお願いもあり仕方なくしている。
別にサラサラの髪を感じたいとかそういうのは断じてない
「そこの駄犬士が強いのは事実なんですけどいくら強くても無限に蘇生を繰り返すスケルトンには不利なんすよ」
「無限?でも全然蘇生なんか」
「それはそこの寝てる魔剣使いのロリの影響っす 魔剣には斬られたものを喰らう効果があるんす」
「喰らう?さっきは昇天とかって」
「あれはその剣が魔剣と知らなかったからっす 本来ならスケルトンを倒す方法は光魔法しかないんす だから光魔法かと思ってました でも剣から発せられるエネルギーのぶつかりをみてそれは光魔法の影響ではないと気づきました 光魔法なら聖剣とのエネルギーの融合はあっても反発はしませんから」
「いやいやこんな奴が光魔法なんて使えるわけないでしょどっちかというと禁忌魔法顔でしょ」
「あんたも聖剣より魔剣顔でしょうに……」
「何処が!?わたしはどうみても聖女の顔でしょうが!」
「聖女を馬鹿にしてるんすか?やりますよ??」
今度はこの2人が喧嘩しそうな雰囲気だ。
どうやらライラさんは聖女伝説を信仰してる人らしい。
「ほらほらおちついて 」
「うぐまた少年に……すまんライラ 貴様が聖女を神格化しているのを忘れていた」
「神格化ってそこまでじゃ……はぁまぁいいっす それでどこまで話しましたっけ?」
「魂を喰らうとか僕そこがよくわからなくて死んだら魂は死者の国に行くんじゃ……」
「そうでしたね 確かに本来なら死者は冥界に送られるとされています でもあぁいった魂を肉体に無理矢理定着させられた者は違います 殺られて冥界に行こうとしても無理矢理引き戻らされます」
「無理矢理って……でもそれって自然の摂理に逆らうことですよね?そんなこと魔物に可能なんですか?」
「……可能なんすよ」
少し含みがある言い方で気になったが聞いてもライラさんは教えてくれないだろう そういう人だ
「まぁ、とにかくそれに対抗するには本来なら光魔法や光魔法でエンチャントした武器が必要なんですけど魔剣にはそれを必要としない 何故なら魔剣には魂を喰らう力があるから」
「魂を喰らうって何のために?」
「そりゃあ……」
「やめな 原理なんかどうでもいいだろ? 魔剣にはスケルトンとかに特効があるそう思っとけ」
何かを喋ろうとしたライラさんの口をネロが立ち上がって塞ぐ。
その目はさっきの変態チックな顔とは違く、どこか真剣な目だった
魔剣に何があるのか……
「……そうっすね その特効を恐れてスケルトンは攻撃を仕掛けてこないんすよ だから攻めるなら今何すよ 奴らの数での攻撃には叶わないけどこっちが各個撃破するには楽勝の相手ですからスケルトンは 光魔法で魔力を消費することもありませんし 勿論協力してくれるならっすけど」
「僕は協力したいですけど魔剣を使っているのはクリームヒルトですから……」
「……大丈夫 クリームヒルトさんも協力してくれるっすよて」
「……そうだな こいつは案外優しいから協力してくれるだろう それに協力しなくても少年は役に立つ一人増えただけで奴らとの戦闘は楽になるからな」
「そうですね!だからジーク君はゆっくり休んでください まだ全快じゃないでしょ?奴らは多分攻めてこないですしやばくなったら起こしますし」
そういいながらライラさんは毛布をかけてくれる
少し思うところがあるがお言葉に甘えよう
身体もしんどいし……
僕は毛布をかぶりねむりにつく。
「子供に教える事じゃねぇだろ」
「ごめんなさいっす 子供なんて久々で失念してました」
「こいつは分かって使ってんのか?」
「分かってるでしょ……だからこそこの子に頼らなきゃいけないって世界って」
「言うな私も思ってる……全くこれだから光魔法を独占しようとするじい様どもは……」
「じい様達も好きで独占してる訳じゃありませんよ
光魔法のデメリット知ってるでしょ?」
「分かっているがこっちは覚悟の上だ!」
「そう怒らないで起きちゃうでしょ あんたも休みなさい」
「……すまん」
「……わたしだって覚悟はある でもこんな子供の方がもっと重い覚悟をした 嫌、させた協会ってなんだろう……」
わからない
わかるはずがない
そう思いながら周りを見る。
そこは真っ暗な闇の中