第1話 にじのかけら 8
犬の女の子、イヴとミルクが にじのかけらをさがして だいぼうけんに!
対象:小学校三年生位~
読み聞かせや癒されたい人にもおすすめ☆
イヴのとなりで、ミルクがねだるように言いました。
「ねえ、行きましょうよ。
大変だったとしてもわたし達、きっとにじしょく人を見つけられるわ。
にじしょく人は、いばしょが分からないと言っても、世界のどこかには必ずいるんですもの。
お店を少しの間お休みして、旅に出ることにしましょう。
どの道、これから少しの間、シャロルの店にお客さんを取られてしまって、ろくに仕事にならないに決まっているもの」
イヴとミルクは顔を見合わせました。
もう、こうなったらやるしかなさそうです。
二人はおたがいの手をかたくにぎりました。
住みなれた森を出て、にじしょく人を見つけ出し、にじのかけらを手に入れるのです。
でもそれはきっと、大変な旅になることでしょう。
ゆうかんなけつだんをした二人のかたをたたいて、ダイが言いました。
「だいじょうぶ。イヴとミルクなら、必ず成しとげるさ。
われわれも旅のじゅんびを手伝うことにしよう。
二人が旅に出ている間、店の手入れはわたし達がしておいてあげるから、安心して行っておいで」
ダイはにっこり笑いました。
(旅だなんて、すごいなあ! なんて勇気があるんだろう。
ぼくも行ってみたいけど、やっぱり弱虫が心の中に住みついているんだもの。
今回は二人の旅をおうえんするだけにしよう。
でも、いつかはぼくも、二人みたいに旅に出てみたいなぁ……)
側でこの様子を見ていたポチは、二人を見守りつつ、心の中でそう思ったのでした。
読んでいただき、ありがとうございます。
次回の掲載は2024年5月14日です。
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