第4話 大きな街と 小さな手紙 4
犬の女の子、イヴとミルクが にじのかけらをさがして だいぼうけんに!
対象:小学校三年生位~
読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆
オーティスは店先に手をついて、
アンゴラウサギに顔を向けながら言いました。
「ぼく、切手をさがしているの。
お姉ちゃんに買って来るよう言われたんだ。
ほらね、すてきなさいふでしょう」
こう言ってオーティスは、
首をふって、かけていたさいふを見せました。
「中に百ブールコインが、
三まいも入っているんだ。
これはね、とっても大切なにんむなんだよ」
ここでオーティスは深くうなずきました。
「ところでどこに行ったら、
ぼく、切手を買うことができるのかな」
アンゴラウサギは、ふふふと笑うと言いました。
「切手なら私の所でも買うことができるよ。
どれ、今、持って来てあげようね」
かのじょはゆっくりと立ち上がると、
ぶあついこん色のファイルを持って、
こしをかがめながらもどって来ました。
アンゴラウサギがファイルを開くと、
中にはたくさんの小さな紙切れがありました。
ファイルをめくってはオーティスに見せながら、
かのじょは言いました。
「いくらのがいいんだい」
オーティスは、黒い小さな鼻を
くっつけるようにしてファイルをのぞきこみました。
そこにはさまざまな絵のかかれた、
さまざまな種類の紙切れがありました。
鳥の絵がかかれたのや、人間がかかれたの。
古い家だったり、
きれいな風景がかかれているのもありました。
オーティスはひたいにしわをよせて、
顔を上げると言いました。
「切手って、本当にこれのこと?
もうちょっと、強そうなのはないの」
読んでいただき、ありがとうございます。
次回の掲載は2024年10月21日です。
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