第3話 出発、 そしてオーティスと出会う 17
犬の女の子、イヴとミルクが にじのかけらをさがして だいぼうけんに!
対象:小学校三年生位~
読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆
ミルクはねる前に、
自分の部屋ですやすやとね息を立てている子犬を、
あわれっぽくながめました。
そして旅に持って来たぬいぐるみの中で、
一番小ぶりなクマのを取り出して、
夜中さみしくないように子犬の横に置いてやりました。
いかだの上でずっと一人ぼっちでいたのですから、
さぞ心細かったことでしょう。
それからミルクは明日の旅にそなえて、
また子犬と話をするのをわくわくと待ち遠しく思いながら、
ゆめの中に入って行ったのでした。
次の日の朝早く、
イヴはけたたましい悲鳴とともに目を覚ましました。
ミルクの声です。
ミルクとイヴの部屋は、
三号車を二つに区切っただけだったので、
それはとてもよく聞こえました。
イヴは急いでベッドから飛び起きると、
ミルクの部屋にかけこみました。
すると部屋中に雪のような白いわたが散らばっています。
ミルクはベッドの中で、
かけぶとんをぎゅっと両手につかんだままふるえていました。
そしてあの子犬はと言うと、
ミルクの小さなテディ・ベアにかみついて、
時たまそれをちゅう高く放り投げては、
口でキャッチして遊んでいるではありませんか!
「まあ、なんてやんちゃぼうずなんでしょう。
あなた、ミルクちゃんがせっかくかしてくれた、
ぬいぐるみが気に入らなかったのね」
イヴが少しおこったように言いました。
ぬいぐるみは、わたが全て外に出てしまっていて、
もう皮だけという、あわれなすがたになっていました。
かわいかったビーズの目も、かたほうなくなっています。
ミルクが金切り声を上げたのも無理はありません。
「とっても気に入ったよ。
だからいっしょにかくとうごっこをしていたんだ。
クマちゃんをすっかりやっつけてやったぞ。
ねぇ、ぼくとっても強いでしょう」
読んでいただき、ありがとうございます。
次回の掲載は2024年10月2日です。
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