表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/158

第1話 にじのかけら 2

犬の女の子、イヴとミルクが にじのかけらをさがして だいぼうけんに! 

対象:小学校三年生位~ 

読み聞かせやいやされたい人にもおすすめ☆

「まだこんなに(あか)るいうちから出歩(である)いて、お(かあ)さんにおこられやしないの、リリス」

 ミルクが、リリスにかけよりたずねました。

「お(かあ)さんはいつだっておこっているよ。おこるのが仕事(しごと)みたいな()(もの)だからね」

 リリスは(はな)にしわをよせて、いたずらっぽく(わら)い、(はなし)(つづ)けました。


「この(まえ)も、正午(しょうご)太陽(たいよう)観察(かんさつ)しようと(おも)ってね。

わたし、こっそり(ひる)まで()きて、屋根(やね)うら部屋(べや)にかくれていたんだ。

でも、結局(けっきょく)(かあ)さんに()つかって、ひどくしかられたさ。

魔女(まじょ)昼間(ひるま)はねて、(よる)活動(かつどう)するものだって。

(ちい)さいうちから昼間(ひるま)()きていたいなんて、お(かあ)さんはわたしをひどく()わったむすめだって()うんだ」


 リリスは、()って()たほうきを(おもて)のドアのわきに、なれた()つきで()てかけました。

そして、そのままいきおいよくドアを、バタンとしめました。

けたたましくドアをしめるのは、魔女(まじょ)にとってはれいぎ(ただ)しいやり(かた)なのです。

「それにお(かあ)さんは、わたしがあんた達犬族(たちいぬぞく)となかよくするのも、ちっともよく(おも)っていないんだ。

魔女(まじょ)はネコと、人間(にんげん)(いぬ)となかよくするものなんだって。

どうしてって()いたら、もう大昔(おおむかし)からそういう(ふう)()まっているんだなんて()うんだけど。

でも、あいつらネコって気取(きど)ってて、わたしは()きじゃないな」


「コーヒーとサンドウィッチはいかが」

 イヴが、かた()にコーヒーポットを、もうかた(ほう)にはサンドウィッチがたくさん()った大皿(おおざら)()って、リリスのもとへやって()ました。

ポットは(あたた)かくて、そこからコーヒーのいいかおりがただよってきます。

はだ(ざむ)夕方(ゆうがた)に、友達(ともだち)(たの)しく(はなし)をするには、(なに)(すこ)しつまめる(もの)と、コーヒーが一番(いちばん)いいのです。

「いいね。ぎゅうにゅうたっぷりでお(ねが)い。それからたまごのサンドウィッチがあったらちょうだい。

ああ、まだ(あか)るいうちに(なに)()べるなんて、わくわくする」

 リリスはにこにこしながら、みんなの(かこ)んでいる、茶色(ちゃいろ)()のテーブルにつき、イスの(した)(あし)をバタバタさせて(よろこ)びました。


「ところで、(なん)だってまたこんな時間(じかん)に、あわててやって()たんだね」

読んでいただき、ありがとうございます。

次回の掲載は2024年4月18日です。

 注意:作者がコメント欄を読むこと、またいかなる場合もコメントへ返信することはございません。読者の方のコミュニティーとして節度ある使用へのご理解に感謝します。

 注意:この作品は 『小説家になろう』、『カクヨム』、『Novel days』に、同時掲載しております。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ