第1話 にじのかけら 13
犬の女の子、イヴとミルクが にじのかけらをさがして だいぼうけんに!
対象:小学校三年生位~
読み聞かせや癒されたい人にもおすすめ☆
「乗り物だって。それをぼくがつくるんだって」
イヴとミルクがそろってうなずくと、
このビーグル犬は目をキラキラさせて手を打ちました。
「うわぁ、なんてすてきなんだろう! さっそくせっけいに取りかからないと」
ケンはハンモックからピョーンと飛び出ると、
イヴとミルクを連れていそいそとらせんかいだんをおりて行きました。
そして一階まで来ると、二人にイスをすすめました。
「そこで待っていてくれ。今、お茶を入れるから。
いや、コーヒーの方がいいかな? 熱いのを。
ねむけがふっ飛ぶぞ」
そう言ってケンは、またもと来たかいだんをかけ上がり、
今度は台所の階まで行って、
やかんを火にかけました。
「なるべく、遠くまでどこへでも行ける、
じょうぶな乗り物がいいの」
ミルクがイスにこしかけながら言いました。
ケンはビスケットのカンを開けています。
「そうだろう、もちろんだとも。チェッ、テントウ虫のやつ。
またぼくのビスケットを全部食べちゃったな。
本当に嫌なやつらだ。
他に食べられる物が何かのこっているといいけれど」
ケンはそう言ったけれど、こればかりはテントウ虫のせいではありません。
だいぶ前の夜中に、
おなかが空いて自分で全部食べてしまったのを、
かれはすっかりわすれていたのでした。
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次回の掲載は2024年5月30日です。
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