第1話 にじのかけら 10
犬の女の子、イヴとミルクが にじのかけらをさがして だいぼうけんに!
対象:小学校三年生位~
読み聞かせや癒されたい人にもおすすめ☆
よくあさ二人はさっそく連れだって、森のおくに住むケンをたずねました。
ケンは若いビーグル犬で、けんちく家でもあり、発明家で研究家でもある、とても多才な犬でした。
でも少しおっちょこちょいで、食べることがイヴと同じくらい大好きなのです。
ケンは火曜日と水曜日の朝には、決まってイヴのカフェに来ます。
そしてエビとアボカドのサンドウィッチとコーヒーを朝食に、老犬ダイとざつだんするのです。
金曜日には昼ごろ店にやって来ます。
そして一週間のニュースが書かれた新聞に目を通しながら、緑茶をかた手にしゃけのおむすびを食べるのでした。
イヴとミルクは、手をつないで歌いながら森を歩いて行きました。
イヴはもうかた方の手にバスケットを持っていて、その中には小さな焼きがしがいっぱいつまっていました。
ミルクはと言うと、空いている方の手に、森でつんだ花をかかえていました。
生まれたての朝の空気はひんやりと冷たくて、木ぎの間から、太陽が金色の光の糸をキラキラと森中に投げかけていました。
しんせんな空気を通して、遠くから、近くから、鳥のさえずりが聞こえてきます。
小道づたいにおくへおくへと進んで行くと、二人は少し開けた所に出ました。
そこは木がほとんどはえていなくて、地面は円形にやわらかいしばふでおおわれていました。
そこは小さな広場のようになっていて、空から太陽の光がふりそそいでいました。
広場の真ん中には、大きな円柱が立っています。
その円柱をぐるっと取り囲むようにして、広場の周りには大きな石やどうぞうが置かれたり、花が植えられている所もあって、そういった物は全部で十二ありました。
この広場全体が、実は大きな日時計になっているのです。
これはケンの発明の一つなのでした。
そしてその円柱の中に、何をかくそうわれらがケンは住んでいるのでした。
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次回の掲載は2024年5月20日です。
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