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クラス転移
「おはよ〜」
「おはよ! 昨日のテレビみた!」
「眠い……」
「放課後カフェ行かない!? 駅の近くにオープンしたんだって!」
「くそッ! 何で星6出ねぇんだよクソゲーがッ!!」
「皆、席着いて。HR始めるよッ!」
あぁ。いつも通りのつまらない日常が始まろうとしている。群れなきゃ何も出来ないイキリ陽キャ共に、耳障りな声で鳴く猿系女子。それに、ゲームのガチャ結果に文句を垂れるオタク集団。そしてその他諸々。憂鬱だ。
「あ、HR始める前に、昨日の小テスト返却しよっか」
「相城くん」
「……はい」
はぁ。初手はいつも俺だ。3年1組1番。相城弘輝。何でも最初。卒業式で卒業証書を渡される時も、俺だけフルで読まれるんだろうな。
「岩倉くん。今回良かったよ! 次はもっと上……を……」
俺の後ろの奴のテストが渡されたその時、教室が光り始めた。
「眩し! 何だこれ……!」
「下のクラスが何かしてるんじゃない?」
「いや、それにしてもおかしいだろ!!」
『───うわぁ!!!』
次の瞬間、クラス全体が完全に光に包まれた。