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嫌いの話

作者: タマネギ

嫌いなことはある。

誰だってあるだろうし、

あっても罪にはならない。

でも、ほとんど口にしない。


話す相手もないし、

いても聞きたがる人に

出逢ったことはない。

嫌い、の話には棘がある。


わかるわかると、

共感を得られればいいけど、

嫌いの共感は、話していて

愉快ではないだろう。


誰それが嫌い、何何が嫌い、

あの国は嫌い、自分が嫌い、

それは、愉快なはずもなく、

書いてみて尚更思う。


ああ、嫌いなこととは、

何かを嫌いだと話すこと、

何か物事の欠点を

取りざたすることだ。


自分で選んで買ったのに、

すぐに不満を言っていた。

その人とは一緒に

いられなかった。


そんな性格というのは、

死ぬまで消えないのか。

その人は思ったことを 

すぐ言っただけだと思う。


ああ、夜になっている。

気がついたらだいたいが

夜になっている。

夜にしか、一日の顔がない


近くの人の世界は、

賑やかになっている。

そこで我に返ることはなく、

じんわり嫌いを感じる。


この集団の中には、

どれくらいの嫌い、が

あるのだろうと。

考えすにいられない。


嫌い、の話をしたのは、

自分もその話の中の

一人だと知っているから。

自分を忘れないように。


ビルの最上階に来た。

仕事の相談で立ち寄った。

窓から遠くの灯りを見て 

我に返ったところ。

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