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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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孫堅軍vs黄祖軍

 紀霊軍と劉備軍の戦が始まった頃の孫堅軍。

 黄蓋「なんと大殿は、劉表軍が動くことを読んでいたですと?」

 孫堅「うむ。それゆえ。劉備殿の援護に兵を出した。だが、どうやらここで待ち構えていて正解だったようだ」

 程普「大殿、敵の総大将は、劉表軍の黄祖が率いる10万のようです」

 孫堅「ハハハ。黄祖のやつ。まさか、袁術軍と戦っていると思っていた我らがここに伏せているなどと思うまい」

 韓当「大殿、皆配置に付きました」

 孫堅「うむ。黄祖の奴に目にもの見せてやろう」

 祖茂「大殿、ついて来ていた若武者を2人捕らえました」

 ???「離せって、俺の義理の兄が孫策様に仕えてるんだって、言ってるじゃねぇか」

 ???「父上が孫策様に仕えていて、俺も手伝いたいと」

 孫堅「ハハハ。そうか。名は何という?」

 ???「呂蒙子明リョモウシメイ、義理の兄の名は鄧当トウトウ

 孫堅「鄧当の義弟であったか。良いだろう。戦力は多いに越したことはない。程普よ。麾下に加えてやれ」

 程普「かしこまりました。こっちへこい馬鹿者」

 呂蒙「やめろって引っ張んなって」

 ???「凌統公績リョウトウコウセキ、父の名は凌操リョウソウ

 孫堅「凌操の息子であったか。策が世話になっている。黄蓋、麾下に加えてやれ」

 黄蓋「かしこまった。ほれこっちにこい」

 凌統「引っ張んなって」

 孫堅「では、黄祖軍を十分に引き付けて、奇襲するぞ」

 全員が息を潜めて、黄祖を待ち構える。そんなこととは知らずに進軍している黄祖軍の面々は、陳就チンシュウ鄧龍トウリュウ呂公リョコウ張碩チョウセキ張武チョウブ陳生チンセイ甘寧カンネイ蘇飛ソヒ黄射コウエキ・禰衡《デイコウ】という錚々たる軍勢であった。

 甘寧「黄祖様、この先は見通しが悪い。相手が伏せているやもしれませぬ。警戒を」

 黄祖「甘寧、お前は馬鹿か。孫堅は袁術軍と戦っているのだ。このような場所に兵を伏せているなどありえん。分かったらとっとと前を引け」

 甘寧「くっ(何故わからない。こんな奴に仕えたのが俺の運の尽きか)」

 蘇飛「興覇コウハ、そうカリカリするな。確かに今回は黄祖様の申す通り。相対している孫堅軍の背を討つだけの簡単な仕事だ」

 甘寧「蘇飛か。俺が賊上がりだから重用してくれないのであろう」

 蘇飛「そう僻むな。いつか必ず評価されよう」

 禰衡「黄祖はプライドが高いだけで大事を成せぬ愚か者ぞ」

 黄射「禰衡らしい批評だな。だが父のことをそう苛めてやらんでくれ。気の小さい人なのでな」

 やがて、見通しの悪いところに黄祖軍が差し掛かると甘寧の言った通り、待ち構えていた孫堅軍により、奇襲を仕掛けられる。大混乱に陥る黄祖軍の面々。

 陳就「落ち着け。落ち着くのだ。貴様何奴」

 呂蒙「お前の首をもらう」

 陳就「ガハッ。申し訳ありませぬ」

 呂蒙の奇襲を受け、混乱の中で討ち取られる陳就。

 鄧龍「落ち着くのだ。何故こんなことに。グッ」

 程普「討ち取り損ねたか。だが気絶したようだな。捕虜としよう」

 程普の奇襲を受け、混乱の中で捕虜とされる鄧龍。

 張武「こんなところにいられるか。とっととずらからせてもらうぜ」

 韓当「どこに行くのかなぁ。俺の相手をしてくれよ」

 張武「どこだどこにいる」

 韓当「ここにいるだろうが」

 張武「ガハッ。卑怯な」

 韓当の姿がまるで見えていないうちに張武は討ち取られた。韓当は背が小さかった。馬に乗っている張武。徒歩の韓当。目線が合わず混乱していたこともあり見えていなかった。

 張碩「ええい落ち着け。落ち着かぬか」

 凌統「アイツが敵将みたいだな。首もらうぜ」

 張碩「何奴。ガハッ」

 凌統は落ち着かせようとしているのが敵将だと判断して、襲いかかった。張碩はなす術もなく討ち取られたのだ。

 呂公「こうなったら孫堅だけでも。そこか」

 祖茂「何しようとしてんだオラァ」

 呂公「クソッ無理であったか。黄祖様、申し訳ありませぬ」

 孫堅を弓で狙おうとした呂公であったが祖茂に阻止され討ち取られた。

 陳生「やってられっか。楽な仕事って聞いてたのによ」

 黄蓋「逃げられると思うてか」

 陳生「クソー。こうなったらお前を殺して逃げるまでだ」

 黄蓋「面白い。この黄公覆を討てるものならな」

 陳生「何!?当たらないだと。ガハッ」

 黄蓋「この程度かつまらんな」

 陳生は、黄蓋に討ち取られた。

 黄祖「クソクソクソ。甘寧、ここは任せたぞ」

 甘寧「馬鹿な!?俺たちを見捨てるつもりか?」

 黄祖「お前のような賊を取り立ててやったのだ。こんな時ぐらい役に立たんか」

 甘寧「分かった。孫堅を討てば良いのだな」

 黄祖「ではな」

 黄祖は、部下も兵も捨て逃げた。

 黄射「父がすまぬことをしたな甘寧」

 甘寧「若殿は、逃げぬのですか?」

 黄射「私まで逃げたら誰が責任を取る。父は、逃げ帰っても劉表様により殺されるだろう。全責任を押し付けられて。なら私ぐらいお前たちと共をしなければな」

 甘寧「俺は間違っていた。若殿も黄祖と同じと思っていた」

 禰衡「付き合わされる立場になってもらいたいものですねぇ」

 黄射「そういうな正平セイヘイ

 蘇飛「若殿の命は俺が御守りしよう。興覇よ。孫堅の相手は任せたぞ」

 甘寧「あぁ。任せろ」

 孫堅のそばには孔融がいた。そして降って来た張勲と楊弘。

 孔融「正平では無いか。そうかお前劉表殿の元にいたのだな?」

 禰衡「これはこれは文挙では無いか。曹操に降るかと思っていたのだが孫堅殿を選んだか。まぁ良いのでは無いか」

 孔融「ハハハ。相変わらずだな。だが毒舌を吐くお前が随分と丸くなったものだ。良い友と会えたか?」

 禰衡「まぁ、そんなところだ」

 黄射「知り合いか?」

 禰衡「えぇ、昔の馴染みです。甘寧殿、戦う必要はありません。我らが馬鹿殿は逃げ出したのです。この若木を枯らせるわけには行きません」

 甘寧「分かった。我々は孫堅軍に投降しよう」

 孫堅「そうか。投降を認めよう。思った以上に時間をかけてしまったようだ。劉備殿は大丈夫であろうか?」

 孔融「橋蕤が戻ったところで、かの御方ならなんとかなさるでしょう」

 孫堅「うむ」

 孫堅は、甘寧・蘇飛・黄射・禰衡・鄧龍という5人の将を手に入れ、揚州へと引き返すのであった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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