表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/821

仲国の滅亡(前編)

1月14日 誤字報告ありがとうございます。修正しました。

 劉備軍が迫りつつある寿春城は、慌ただしくなっていた。袁術は妻と子を逃そうとするが受け入れない。迎え撃つ兵たちは逃げ出す者が後を立たず。最早風前の灯と言っても良いぐらいである。

 袁術「朕の命令じゃ。蜂蜜を持ってこい」

 袁術兵士「この非常事態に蜂蜜などと。わかりました。では(やってられるか。劉備軍が迫る隙をついて城門を開けて、内応してやる)」

 袁術「馮や。お前は、燿と紅を連れて、逃げよと申したであろう」

 馮と呼ばれたこの女性は、袁術の妻で馮方女フウホウジョという。大層美しい女性で、袁術の妻から嫉妬の的にされていたが嫡男を産んだことで、好転。皇后となっていた。燿と呼ばれた青年は、袁術と馮方女の息子で、袁燿エンヨウである。紅と呼ばれた少女は、袁術と馮方女の娘で袁燿の妹で、袁紅姫エンコウキという。

 馮方女「皇帝陛下は捨てて逃げ出す皇后がどこにおりましょう。最後まで殿のお側に」

 袁燿「父上、必ずや勝てます」

 袁紅姫「パパ。負けるの?」

 馮方女「負けませんよ。皇帝なのですから」

 袁術「(玉璽にくらみ皇帝を名乗ったがために妻と子を危険に晒してしまうとはなんと愚かなことであろうか。兵は居らず望みは、橋蕤と張闓に出した帰還命令のみ)」

 とうとう劉備軍は、寿春城に到達した。そこには橋蕤大将軍率いる兵が待ち構えていた。孫堅軍と対峙していたはずの橋蕤は一向に現れない孫堅軍を待ち構えるべく待機していた。そこにきて紀霊大将軍の敗戦を知り、迫り来る劉備軍の撃破のために呼び戻されたのである。なんとか劉備軍が来る前に間に合った橋蕤は四つの門に舒邵・陳紀・梁綱・李豊を配置して、橋蕤は袁術を守る。10万が加わり、城に残った者たちを合わせると11万程となっていた。城攻めに必要な兵数は10倍とされる。劉備軍の率いる兵は7万。城攻めできる兵数では無い。孫堅は早々に劉表軍を破り、橋蕤軍と戦を始める心算であったが思いの外手間取り、橋蕤軍を帰還させてしまったのだ。

 義賢「兄上、敵の兵数に対して、同等ならまだしも下回っていては城攻めには向きませぬ」

 劉備「袁術め。なかなかやるな」

 張飛「ここまできて撤退かよ」

 関羽「疲弊した我らで、被害を抑えつつ城を取ることは叶わぬ。それしかあるまい」

 田豫「ちょっと待て、中の様子がおかしく無いか?」

 田豫の言葉を受けて、もう一度城に目を向けると四つの門が開いたのである。それどころか袁術の兵士同士で同士討ちを始めたのである。内乱の勃発だ。

 義賢「兄上、城門を壊す必要のない城ならそれは平地と変わりありません。四つの門から一斉に侵入して、偽帝の袁術を討ちましょう」

 劉備「うむ。丁よ。差配は任せる」

 義賢「はっ。張飛殿は、田豊殿を軍師に東門へ突撃を」

 張飛「おぅ任せときな。軍師殿、頼りにしてるぜ」

 田豊「必ずや勝利しましょうぞ」

 義賢「関羽殿は沮授殿を軍師に西門へ突撃を」

 関羽「心得た。義賢、お主もぬかるでないぞ。軍師殿、宜しく頼みましたぞ」

 沮授「ここで寿春を得ることは殿の更なる拡大となりましょう。関羽殿、宜しく頼みましたぞ」

 義賢「兄上は鮮于輔殿と軍師の田籌殿と共に南門は突撃を」

 劉備「うむ。丁よ。くれぐれも気をつけるのだぞ」

 鮮于輔「こっちは任せておけ。国譲、そっちは任せたぞ」

 田豫「あぁ、共に勝利を勝ち取ろう」

 田籌「さてさて、我が策を披露しましょう」

 太史慈「この太史子義。たちはだかる障壁を薙ぎ倒さん」

 その頃寿春城は、内乱により悲惨な状態となっていた。

 元袁術兵士「門を開けろ〜劉備軍を迎え入れるんだ」

 寿春の民「俺たちも手伝うぞ」

 橋蕤「なんだと!?四つの門を兵士たちが開いただと。それを見て、民や我が兵士の一部にも内乱に加担するものが出ているだと。袁術様を御守りするのだ」

 東門では舒邵が反乱を抑えていたが門が開いた隙に突撃してきた張飛軍と交戦する。

 田豊「張飛殿、内乱を利用しましょうぞ。敵将を狙い。後はこう言うのです」

 張飛「面白えじゃねぇか。おいこの張翼徳に挑む者はいねぇか」

 舒邵「アイツが張飛か。アイツを討たねば内乱が広がるやもしれん。まさかここまで袁術様に対する不平不満がたまっていようとは。やむおえぬ。袁術様が配下、舒邵が相手となろう」

 張飛「アイツが敵将みてぇだな」

 田豊「向かうも内乱が広がることを避け、名乗らざるおえなかったのでしょうな。後は任せましたぞ」

 張飛「おぅよ」

 丈八蛇矛により打ち合うこともなく討ち取る。

 張飛「敵将、舒邵。張翼徳が討ち取った。テメェら武器を捨てて投降しろ」

 東門の兵「舒邵様が打ち合うこともなく一撃とは。わかりました。我々は投降します」

 東門が投降したのと同じ頃、西門でも陳紀が反乱を抑えていたが開いた門から関羽軍の突撃を受ける。

 沮授「関羽殿、内乱を利用しましょう。敵将だけを狙い討ち。投降を促すのです」

 関羽「うむ。関雲長に挑む者は居ないか」

 陳紀「あれが劉備の義弟関羽か。相手にとって不足なし。この陳紀が相手となろう」

 関羽「アヤツが敵将のようだな」

 沮授「あちらも内乱で追い込まれているのです。関羽殿を討ち押さえつけたいのでしょう。後はお任せします」

 関羽「うむ」

 青龍偃月刀により、真っ二つにされる陳紀。

 関羽「敵将、陳紀。関雲長が討ち取った。投降せよ」

 西門の兵「ヒィー、陳紀様が一撃なんて、投降します」

 南門と北門でも同じように交戦状態となっていた。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ