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えっ俺が憧れの劉備玄徳の実の弟!兄上に天下を取らせるため尽力します。  作者: 揚惇命
3章 群雄割拠

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韓馥軍vs劉備義勇軍

1月10日 誤字報告ありがとうございます。修正しました。

 公孫瓚領へと攻め入る韓馥軍に立ち塞がったのは、またしても劉備義勇軍であった。

 韓馥「又しても立ち塞がるのか劉備め。今度は油断などせぬ。必ず討ち果たしてくれる。(そうしなければ袁紹に殺される。どっちにしても地獄だ。これが裏切りを重ねた俺の顛末なのだろう)」

 潘鳳「精強な劉備義勇軍か腕がなるぜ(俺の命もここまでか)」

 韓馥「潘鳳、任せたぞ」

 潘鳳「おぅ(敵の先陣は麴義殿か)」

 韓馥軍を迎え撃つ劉備義勇軍の先鋒は麴義、彼の精強な兵はどんな時でも退かない守りに長けた精鋭である。潘鳳は元韓馥軍である彼のこともよく知っていた。お互いをよく知るもの同士、潘鳳は仕掛けるタイミングを見失っていた。これが韓馥には潘鳳の裏切りに見えた。それゆえイライラした韓馥は潘鳳をつついた。

 韓馥「潘鳳よ。どうした。まさか相手方の先鋒が元ワシの配下であった麴義だから手を出せぬということか?ならば構わん。奴は劉備に寝返った裏切り者。殺せ」

 潘鳳「しかし殿、麴義は守りに長けているのです。策もなく突撃すれば絡め取られるだけに御座いますぞ」

 韓馥「それをどうにかするのがお前の役目であろうがお前ができぬというのであればお前を殺すだけだ」

 潘鳳「ぐっ(殿は袁紹を恐れるあまり我を失って居られるようだ)」

 韓馥「全軍突撃」

 潘鳳「やむをえんか」

 韓馥軍は明らかに罠満載の迎え撃つ姿勢で待ち構えている劉備義勇軍へと突撃を開始した。この状況に麴義は満足していた。

 麴義「(小心者の韓馥様のこと。戦を長引かせれば袁紹に消されかねない。かといって公孫瓚を裏切った手前、逃げ出すこともできない。一戦構えるしかない。その捨て駒にあろうことか潘鳳殿を選ぶとは。友人の少ない俺の数少ない理解者を失うわけにはいかぬ。この先鋒願い出たのは潘鳳殿を捕らえるため。韓馥よ。我が知己を捨て駒にしようとしたことを後悔させてやる)全軍、韓馥軍を迎え撃て」

 韓馥軍の全軍を劉備義勇軍の麴義の精鋭歩兵隊が受け止め弩にて各個撃破していく。

 潘鳳「言わんこっちゃない。明らかに罠の中を突撃するなど何を考えておられるのか」

 韓馥「ヒィーーーーーーーーー。潘鳳、後は任せたぞ」

 潘鳳「殿、こんな時にどこにいかれるというのか(はぁ逃げ出したか。俺は袁紹に対してうちは頑張りましたって見せつけるための捨て駒ってわけかい。仕えるべき主君を見誤った。こんなことなら麴義と共に劉備義勇軍へと降るべきだったな。嘆いていても仕方あるまい)麴義、旧知とはいえそう易々とやられはせんぞ」

 麴義「潘鳳、望むところだ」

 潘鳳の大斧による攻撃を麴義は丸盾にて防ぐ。

 潘鳳「何を狙っているのか知らぬが防戦一方では、俺には勝てぬぞ」

 麴義「わかっている」

 その頃、韓馥軍の兵たちは逃げた韓馥に取り残されていた。そう彼らも捨て駒に使われたのだ。これらを元韓馥の配下であった張郃・田豊・沮授が説得して劉備義勇軍の強化をしていた。

 張郃「逃げた韓馥のためにお前たちが命を落とす必要はない」

 田豊「劉備殿は兵の命も民の命も等しく大事にしてくださる」

 沮授「剣を置くのだ」

 韓馥の兵「我々は疲れました。韓馥様に振り回され、公孫瓚軍として戦ったり、かと思えば今度は袁紹軍として戦わされる。何故我々がこのような目にあわねばならない」

 劉備「辛い思いをさせてすまない。だが私は誓う。戦のない世をいずれ作ると。そのためにお前たちの力を貸してもらえぬか?」

 張郃「殿、ここに来ては危のうございます」

 田豊「殿、我々が必ず説得しますゆえ」

 沮授「殿、今暫くお待ちください」

 劉備「良いのだ。平和な世を作ろうと考えている者がお前たちばかりに負担を任せて後ろで構えているだけなど示しがつかぬであろう」

 韓馥の兵「あれが劉備義勇軍を率いる劉備殿。韓馥様と全然違う。あの人ならひょっとしたら叶えちまうかもしれねぇ。その夢、俺たちにも手伝わせてください劉備様」

 韓馥の兵たちは次々と武器を下ろし劉備義勇軍に忠誠を誓った。劉虞の兵と韓馥の兵を加えた劉備義勇軍の兵は数十万を超えていた。もう義勇軍の規模を超えていたのだ。そして、逃げた韓馥は終わりの時を迎えようとしていた。

 韓馥「ここまでくれば安全じゃ。兵のことも潘鳳のことも知らん。ワシは死にたくないのだ」

 沮宗?「どこへ行こうというのだ」

 劉子恵?「我々を殺して、自分だけ生きるつもりか」

 韓馥「お前たちはワシが斬り殺したはず。何故そこにいる?ええい消えろ消えろ消えろ」

 沮宗?「許さない」

 劉子恵?「あれほど尽くしたのに、我らの恨みを受けよ」

 韓馥「消えろ消えろって言ってるだろう。うっぐっ」

 韓馥は、自身が殺したものたちの亡霊により、命を絶たれたのであった。勿論、そんなものはいない。全て韓馥の頭の中での出来事。だが、韓馥にはそれが目の前で起こったことのように見えていた。それゆえ必死に振り払おうと剣を振った。そして、大きな石に気が付かず蹴つまずきその拍子で剣が胸へと刺さった。即死であった。そして潘鳳と麴義の一騎討ちも決着を迎えようとしていた。

 潘鳳「ハァハァ」

 麴義「やっと疲れたようだな」

 潘鳳「相変わらずその粘り強さに脱帽するよ。俺の負けだ。首を持っていけ」

 麴義「では遠慮なく」

 麴義は潘鳳に近づき両手を後ろ手にして縛り上げる。

 潘鳳「何を?」

 麴義「お前は捕虜として殿の元へと連れていく」

 潘鳳「甘いな」

 麴義「煩い。俺は数少ない友を失いたくないだけだ」

 潘鳳「では、お前が仕える劉備とやらを見極めるとするか。俺の大斧を預けるに値する器の持ち主かどうかをな?」

 麴義「捕虜の分際で生意気だぞ」

 潘鳳「ハッハッハ」

 公孫瓚領へと攻め寄せた韓馥は逃げた先で非業の死を遂げ、潘鳳は捕虜となり、韓馥の兵たちは劉備義勇軍へと降伏。そして、袁紹軍との新たな戦いが幕を開けようとしていた。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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